2時間制限のラブホでなんとかイカないように工夫をした話/中川淳一郎

以前、「セックスに夢中になり過ぎて買ってきたビールを外に出しっぱなしにした話」を書いた。お相手の咲さんとそれから半年後、また一戦交えることとなった。この日も飲み屋でビールを景気づけに飲んでからコンビニでビールを買ってホテルへ。

前回同様、部屋に入るとすぐにディープキスをし、そのままベッドにバタンと二人して倒れた。2回目ともなると互いに勝手は分かってる。気持ちのいい部分は把握済みだし、会話もスムーズになる。

咲さんは普段はキリッとした表情をしているのだが、酒を飲み、こうして二人で秘め事をしていると段々と顔つきが柔和になってくる。目がトローンとして、温和な感じになり、喋る時も敬語ではなくなる。

「痛くないですか?」

「う~ん、痛くないよ。気持ちイイ……」

この日も挿入は1時間超になる長丁場の一戦となったが、咲さんは3回イッたと言っていた。

「ニノミヤさんの上に沿ったチンコ、好きよ。天井に当たりながら最後は奥をズンッと突くのが気持ちイイ」

「疲れてないですか?」

「疲れてないけど、突かれてるよ」

こんなことを言われるとこちらとしては、もっと突きたくなってしまうではないか。すると不思議な感覚に陥るのだが、射精をしたくなくなってしまうのである。男は射精のために生きている面があるし、セックスもそれが最終ゴールとなるもの。しかし、このラブホテルは制限時間が2時間しかなく、一度射精をしてしまうとその後数十分は勃起しなくなってしまう。20代前半の頃であれば、射精をした5分後には再び元気棒はムクムクと鎌首を伸ばしてきたものだが、さすがに30代ともなるとそこまでの元気はない。

宿泊を伴うセックスであれば、5時間で3回の射精とかはできるのだが、さすがにこの短時間であれば、一度射精をすることによってセックスの時間が短くなってしまう。それを避けるため、こちらはなんとかイカないように工夫をする。