ホームレスに「舐めてあげようか」と言われた、忘れられないクリスマス

クリスマスイブですね。今年はイブもクリスマス当日も週末と重なるので、多くの恋人たちは浮足立っていることと思いますが、わたしは今日も仕事です。女性用風俗ユーザーに会って貴重なお話を聞かせていただくことになっております。

以前も書いたのですが、わたしのもっとも思い出深いクリスマスの出来事といえば、新宿の路上でホームレスに「マンコを舐めてあげようか」と言われたことです。あれは、誘われて参加した飲み会の帰り道……当時、同棲している恋人がいたのにクリスマス当日に飲み会に参加しているのも大概だけども、とにかく終電を逃してしまい、歩いて帰ることにしたときのことでした。

歩いて帰るといっても、新宿から我が家まではゆっくり歩いても30分。気候のいい季節などは電車がある時間でも、むしろ積極的に歩いて帰ることもあるくらいの距離です。コンビニで酒を買って歩いて帰るそれを、わたしは「路上〇次会」と呼んでいて、ちょうどよく仕上げができるところが気に入っているのです。

その夜もコンビニで缶ビールを飲みながら歩き出しました……あ、ちょっと話はそれるんですが、歩き飲みをするときにビールは実は適しません。歩くたびに揺れるせいで炭酸が抜けて不味くなってしまうので、歩行しながら酒を飲みなら本当は缶チューハイか、小さな瓶に入ったワインがいいのです。けれどその日はビールの気分だったので、炭酸が抜けるよりも早くに飲み干して、次の補給所(注:コンビニ)で、また新たに酒を買えばいいやと歩き出したのでした。

帰り道に出会ったホームレスのオジサン

歌舞伎町から西武新宿線沿いのブリックストリートを横目に、職安通りを渡って小滝橋通りに向かう高架の下まで辿り着いたところで、寒空の下で酒盛りをしているふたりのホームレスの姿が目に入りました。せっかくのクリスマス、何かできることはないか。酔っ払ってご機嫌だったわたしはそう考えて、自動販売機で温かい缶コーヒーを買い、そして勇気を振り絞って話しかけた。
「オジサンたち、クリスマスプレゼントにこれ」

缶コーヒーを引き換えに返ってきたのは、「おー、ねーちゃん、気が利くね」という言葉で、ああ、よかった喜んでもらえた。と少し心が満たされた気持ちになりながら、再び歩き出して数メートル先に進んだところで、背後から「お礼にマンコ舐めてあげようかーーーーー!? ギャハハハハッ」という声が追いかけてきたのです。