彼らが気づかせてくれたこと
彼らと会って辛うじて「良かった」と思えることは、無礼な男性に対して「怒る」ということを覚えたことです。
私は八方美人の事なかれ主義で、いままでは事を荒立てたくない一心でどれだけ失礼なことをされても笑って流してしまうところがありました。
しかし婚活で出会う男性はアプリ上とLINEでブロックさえしてしまえば、もう二度と関わることのない他人です。なので、「私に失礼なことをするな」と怒りをもって接することができました。
それは他でもない自分を、自分の手で大切に扱うことであり、毒親育ちゆえにこれまで健やかに育てることが出来ていなかった「自尊心」を自分の手で取り戻すことにも繋がったのです。
彼らが私に気付かせてくれた「SSRの基準」、結婚への譲れない条件は、「私を女扱いせず、対等な人間として扱ってくれること」でした。
たったそれだけ、と思われるかもしれませんがこれをクリアできる婚活市場にいる男性はとても少なかったです。私はアプリ2社で合計20人ほどの男性と会いましたが、このハードルをクリアしていた人は2人だけで、そのうちの1人がいまの夫です。
この条件を満たさない人とばかりマッチングしていたのは、婚活において有利と思えた私の容姿のせいだと思います。
いわゆる「守ってあげたい系」な容姿の私ですが、求めているのは「守られること」ではなく「共に闘う」こと。
「ほんと可愛いよね」と頭ポンポンなんかされた日には「許可なく触んなボケしばくぞ」と凄みたくなってしまいます。
更には、婚活市場に乗り込んだとはいえ心の底では「女子アナみたいな格好して笑ってたらだいたい落ちるやろ」と男性を見下していた私。
アポの際には「私は石原さとみ……『失恋ショコラティエ』のときのさとみ……」と自己暗示をかけて挑んでいました。よく笑い、相手の目を見つめて相槌を打ち、さりげないボディタッチをして、自分が可愛いことを知っていて、たまに思わせぶりな仕草が出来る、そんな女性を演じていました。
実際の美醜は関係なく、ある程度の自信とハッタリでモテる自分を演出できれば、モテは後からついてきました。
実際、「心にさとみ作戦」で接した男性たちからはすぐに交際の申し込みがあり、「いや簡単にひっかかりすぎやろ」と男性嫌悪に拍車がかかりそうでした。
告白されてはLINEをブロックするのを繰り返すうちに、この作戦は「大人数からお手軽にモテたい人向け」であることに気付きました。
私のように、厳選を重ねてたった一人を見つけ出したい場合は全くの逆効果であることが分かり、作戦を練り直すことにしました。
次回は、「SSRの基準」を満たす男性とマッチングするための新たな作戦、そして夫となる人物との出会いについてお話します!
Text/こはな みみこ
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