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婚約指輪がポテコでも落胆するべきでない理由「夫婦の婚約指輪」

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今回のテーマは「夫婦の婚約指輪」である。

このテーマが届いた瞬間、私は結婚指輪を探しにアマゾンに飛んだ。

幸い指輪は、雑誌の付録についていたと思われるポーチの中で無事発見された。

ポーチの中には、いつ買ったかわからない鼻毛カッターや化粧品などと一緒に無造作に入れられていたが、まだ使っていない電動歯ブラシの換えが1本見つかったのは収穫である。

このように片づけが出来ない人間は、頭(ず)が痛い時、家を探せば「野良ロキソニン」が発見されたりして、命拾いすることもあるのだ。

つまり「散らかしている」のではなく「自宅に宝を埋めている」と思って欲しい。ただ、宝を埋めるゴミの方が多いだけだ。

私が結婚指輪をつけて生活していたのは1年程度だと思う。

私は、猿から人間に進化する途中過程で「あ、ここ降りる駅や!?」と二駅ぐらい早くこの世に飛びだしてしまったため、体に何か身につけるのが苦手なのだ。

服は法律上仕方なく着るが、家では裸足だし、アクセサリーも全く身に着けない。

貴金属を素敵と思う心がないわけではないが、何せ感覚が動物に近いので、体に異物がついていると、気になって、つけたり外したり、口に入れたりしてしまうのだ。

こんなことを続けていたら、いつかなくすか、飲みこんでしまう。
いくらなんでも結婚指輪をウンコから発掘する作業はしたくない。

よって結婚指輪はすぐに「保存用」となった。

そんなわけで、久しぶりに結婚指輪を見たのだが、1年くらいしか、つけていなかった割には、毎日1万回感謝の正拳突きをしていたかのような傷がついている。

使い続けていたら、いつかポテコを踏んづけたかのように粉砕されていただろう。
やはり保存用にして正解だった。

内側には「2010.10.10 MtoK」と彫られている。
つまり今年で結婚9周年だ、ちなみにKとはもちろん「Mからカレー沢へ」という意味である。

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