義両親にとって「三巡目」の私
ハッキリ言って義実家側もあまり私に関心を持っていない気がする。
これはうちが子なし家庭、義両親からすれば孫がいないせいかもしれない。義両親としても息子とは言え、動きの少ない中年夫婦に構うよりは火サスとか見た方がまだ面白いだろう。
また夫は男三人兄弟の長男なのだが、結婚は一番最後だった。
つまり義両親にとって「嫁が来る」ということ自体「三巡目」なのである、一巡目ともなれば、初めて嫁という存在ができ、舅、姑1年生としてイキることもあったかもしれない。
しかし、3回目ともなればもはや「飽き」の段階だろう。
さらに、私たちが結婚する頃には孫も4人くらいいた。
つまり、舅姑、祖父祖母としても、すでに二回ぐらい「一通り終わった」状態で私が来たのだ、新鮮味ゼロである。
元々、義両親は息子夫婦たち干渉するタイプではないのだが、関心を示すとしても、孫がいる家からだろう、つまり義両親にとって我々は関心レベル最下位なのだ。
だが正直言って、私にとってはそれが一番ありがたいし、そのおかげで私は今まで義実家との関係で悩んだことはない。
このように、義実家と仲良くするコツは皆目見当もつかないが、揉めないようにするコツは「お互い関心を持たないこと」だと言える。
昔と違って、今は年を取ってからでも出来る娯楽はたくさんあるし、イオンだってあるのだ、もはや孫に生きがいポジを押し付けたり、まして息子夫婦に必要以上構う必要は、義両親側にだってないはずである。
盆と正月など要所でだけ会って、あとはイオンに住んでるぐらいの方が、嫁としても「義両親ガチャ大勝利」でウインウインなのではないだろうか。
義両親ガチャがダメだった場合
ただ何せ義両親は選べないので、ガチャから「冥王星」が出て来て苦しんでいる人もいるだろう。
その場合は逃げるしかない。
宇宙人と遭遇したら、舞台がハリウッドで自分がセガールじゃなければ、普通逃げるだろう。そこで「でも旦那の親だし」という、いらん事を考えると、逃げ遅れて緑の溶解液で解かされる。
「話の通じない未知の生物と出会ったら逃げる」
例え相手が配偶者の親だろうが、モブキャラとしての基本動作を忘れてはいけないのだ。
Text/カレー沢薫
カレーなる夫婦生活が書籍化!
夫婦コラムのはずの本連載が、土方歳三への愛を綴った廃人日記として書籍化されました。
愛に生き愛に死ぬカレー沢さんのガチャ爆死録は必見です!
- 1
- 2