酒が飲めない人間に無理に勧めたり「酒が飲めないなんて人生損しているよ」とマウントをかますのは「アルハラ」という立派なハラスメントの一種になってきている。

最近「酒は百薬の長」というのは無根拠であると判明した。
昔は、酒は金持ちしか飲むことが出来ず、金持ちの方が貧乏人より総じて長生きだったため、そう言われていただけ、ということである。

つまり陰核が「性感を得る」意外全く意味のない器官であるのと同じように酒も嗜好品以外の意味はなく、その意味がわからない奴は飲むだけ無駄、つまり酒が飲めない奴が酒を飲まされるというのはこれ以上ない「人生大損」なのである。

もちろん、何の役にも立たなくても、存在するからには陰核もいじり倒した方が良いように、酒も好きな人は大いに楽しむべきだろう、しかし「あるけど、あまり楽しくないからいじらない」というのも選択肢の一つであり、それを選ぶ権利は個人にある。酒も同じだ。

つまり、夫は酒飲みだが、それを私に強要するタイプではなく良かったな、という話だ。

Text／カレー沢薫

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