『酔うと化け物になる父がつらい』、『毒親サバイバル』の著者・菊池真理子さん。
『毒親サバイバル』は、毒親家庭で育った元・子どもたちの体験を描いたノンフィクションコミックで、アルテイシアも登場しています。
菊池さんもアルコール依存症の父に振り回され、14歳で母親の自殺を経験した、毒親サバイバーの一人。
対談には『毒親サバイバル』の担当ハタノさんにも同席いただきました。
真逆の結婚観
- アル
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私は毒親育ちゆえに「家族が欲しい」とずっと思っていて「伴侶はいねが~!!!」とナマハゲ状態だったんですよ。
- 菊池
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ナマハゲ(笑)
- アル
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夫と結婚してようやく「安心できる基地を手に入れた」と思えて、メンが安定しました。一方、毒親の影響で結婚にマイナスのイメージしか持てない人もいますよね。
- 菊池
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『毒親サバイバル』でも「マイナスのイメージしか持てない」という意見は多かったです。
- アル
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菊池さんは「妻が滅私奉公する図」だし、担当ハタノさんは「夫婦がすれ違う映像」で、漫画家の米沢りかさんは「家庭=戦場というイメージ」だと語ってますよね。
- 菊池
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私は自分が結婚するという発想が全然なくて。だから幸せな結婚をしてる人に会うたび「なんで結婚したんですか?」「怖くなかったですか?」と聞いてたんです。
- アル
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私にとって、結婚って単なる箱なんですよ。中身はみんな違うから、親の結婚がダメだからといって、自分の結婚がダメになるわけじゃないと思ってました。むしろ「母みたいな人生を歩んでたまるか!」と反面教師にしてましたね。
- 菊池
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なんでそう思えたんですかね?
- アル
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もともと個人主義な性格で「母と自分は別人格」と分けていたからでしょうね。一貫して「このババアは頭がおかしい」と思ってたし(笑)
- 菊池
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実際、アルテイシアさんは「他人の評価ではなく自分のモノサシで選ぶ」とお母さんと正反対の選択をされましたよね。
- アル
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結婚ってほんと相手次第じゃないですか。独身女子に「結婚っていいですか?」と聞かれるたび「誰を選ぶかだよ。結婚は単なる箱で、中身は50年の共同生活だから」と答えてます。私は夫以外と結婚してたら秒速で離婚してたと思うし。
- 菊池
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アルテイシアさんの旦那さんは日本の理想の夫ですよね。
- アル
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変人ですけど。
- 菊池
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そこも魅力的(笑)
- アル
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彼は「弱い立場の人に優しい」「困ってる人を助ける」という、仁徳のある変人なんですよ(笑)。そういう人なら、病める時ベースで支え合えると思って。婚活女子には「どんな人とどんな共同生活をしたいか?」をリアルに想像しようと言ってます。
- 菊池
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私は共同生活が無理なんですよね。
- アル
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同棲も1回もないですか?
- 菊池
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1回もないです。
- アル
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私は付き合ったららすぐ同棲するんですよ。一緒に住みたいんですよね。
- 菊池
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なんでこんなに違うんですかね(笑)?
- アル
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これも性格だと思います。私はものすごく寂しがりやで、18歳で実家を出てから10年一人暮らしをしたけど、「一人暮らしが向いてる」と思ったことが一度もないんですよ。
- 菊池
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そっか、私は一人好きなんですよ。自分も人にあまり関心を向けられないし、過剰に向けられるのも苦手だったりするんです。
- アル
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うちの双子の弟は一人好きで、人といるのが苦痛だそうです。同じ日に同じ穴から生まれたのに全然違うから、私、星占いとか全然信じないんですよ。
- 担当ハタノ
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占星術とかで言うと、同じ運命のはずなんですよね(笑)。ほぼ同じ時間に生まれてるわけだから
- アル
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5分差ぐらいで生まれてますね。
- 菊池
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その5分の間に天体がバーッて変わったんじゃない(笑)
- アル
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犬とかも5匹ぐらい生まれるけど、ヤンチャもいれば大人しいのもいてバラバラですよね。人間も同じだと思う。
- 菊池
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たしかに、生まれつきの性格が大きいですよね。
- アル
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私は寂しいのが苦手で、ゆえにアバズレ街道を爆走しましたけど。
一同:(笑)
- アル
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当時はつらかったけど、結果的に寂しがりやだからパートナーもできたし、友人にも恵まれたんだと思います。でも「一人でも平気」という完全生命体タイプにはすごく憧れますね。
- 菊池
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私は人といるのが苦手なことに悩んでました。
相手のことを嫌いなわけじゃなく、自分がおかしなテンションになってるだけで、家に帰ると疲れちゃうんですよね。最近ようやく「人といるのが苦手なんです」と言えるようになって、楽になりました。
- アル
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「自分はこういう人間なんだ」と受け入れることで、楽になりますよね。