さらにパワーアップして戻ってきた、あのバケモノが…!!
川崎貴子さんの『我がおっぱいに未練なし』を読んだ。
これはご自身の「乳がんプロジェクト」を綴った連載「女社長の乳がん日記」を書籍化したもので、連載に毎回感銘を受けていた私は、「子宮全摘1周年記念」のコラムの中でも敬意をこめて「バケモノか」と書いた。
連邦軍のモビルスーツのような強度で、乳がんという敵を返り討ちにした川崎さんは、「私はあなたみたいに強くないから」と人生で何度も言われてきたと思う。
でも、この本を読むとわかる。生まれつき強いだけの人間なんていない。
みんな強さと弱さを抱えていて、どんなに傷つきぺしゃんこになっても、強くあろうとすることが強さなのだと。
新たに加筆された部分で、川崎さんは「20代、30代は暗黒時代であった」「私の30代は10年間厄年みたいなものだった」と過去を振り返る。
そのうえで「44歳になってこのたび乳ガンになったわけだが、私はもうあの頃の、運命を呪い、流産して病室で泣いていた女ではない」と語る。
お涙頂戴の闘病モノにはビクともしない私だが、この部分を読んでダバーと涙腺が決壊した。「明けない夜はない」という言葉に、これほど説得力のある人はいないだろう。
そして4歳の次女ひびきちゃんの「ママ、だいすき。はやくかえってきてね。それがいちばんいいたかったことなの」という言葉に、ネスカフェゴールドブレンドのCMのごとくダバダバーと涙した。
私もだいすき、ママー!!!(咆哮)
「お前なんか産んだ覚えはねえ」と言われそうだが、41歳のJJ(熟女)もオギャりたくなるぐらい、川崎さんは愛情と包容力にあふれた人物だ。その存在に励まされ、勇気づけられた女性はどれだけ多いだろう。
同世代の女友達と「お手本にしたい年上の女性がいない」とよく話していた。
「あんな人になりたい」「あの人の背中を追いかけたい」と目標にできる存在が欲しいのに、いない。そんなふうに嘆いていた我々はようやく発見した、バンコラン似の美貌の先輩を。
川崎先輩がいれば、我々も闘っていける。JJからBBAへと力強く進化していける。その時もデンデラのリーダーのように我々を導いていただきたい。
だからほんと長生きしてもらわないと困りますよ、先輩。