ムシャクシャしてヤった
性欲や性的好奇心の薄い人はいる。もともと食の細い人や食に興味のない人がいるのと同じだ。
性欲は食欲や睡眠欲と並ぶ本能だと言われるが、食べなくても寝なくても死ぬけどセックスしなくても死なないし「お前マジで本能なの?」と疑わしい。
実際、一度もセックスせずに生涯を終える人や、大昔にしたけどもう何十年もやってない、という人も大勢いる。
若いお嬢さん方と話していると「セックスや恋愛がなくても幸せ」という声をよく耳にする。彼女らは友人関係や趣味や仕事が充実していて、日々楽しく生きている。私の周りにはそういうJJが多いが、40を越えると周りもとやかく言ってこない。
だが年齢が若いというだけで「まだ子どもなんだよ」「いい人に出会ってないだけ」「もっと他人に心を開くべき」などと説教されて、「自分は特殊なのか?」と不安になる女子も多い。
そんな時は「おまえハゲてるだろ?でもフサフサの奴もいるだろ?人には個人差があるんだよ!」と教えてあげるといいだろう。
説教してくる連中は「若い女には何言ってもいい」と舐めているのだ。JJはマリオのクッパ的存在で、ヘタなこと言うと火炎やトンカチが飛んできそうだから、怖くて説教できないのだ。このように、加齢は自分を守る武器にもなる。
一方、ズベ公時代の私は「もっと自分を大切にしろ」「安売りするなんて悲しい」と説教された。いちいちうるせえ。
そんなうるせえ連中がいるから、ムシャクシャしてヤったのだ。
20代はテストステロンの分泌盛りで、やたらムシャクシャしていた。ナイフみたいに尖っては、そこらのチンポを入れていた。
「おまえは今まで入れたチンポの本数を覚えているのか?」と聞かれたら覚えてないが、今まで食ったうまい棒の数より多いと思う。
私にとって、セックスは酒みたいなものだった。その一瞬は酔っ払うし、酩酊を楽しむこともあるけど、それで腹が満たされるわけじゃない。あくまで嗜好品であって、主食にはならない。
30歳の時、夫と出会って精神が満たされたことで、「酒!飲まずにはいられないッ!」という状態から解放された。
当時の私は「惚れたハレたはもういい、家族がほしい」と望んでいた。夫とは最初から「貴様と俺」みたいな関係で、テストステロンの太鼓はプスッとも鳴らなかったが、それが逆に良かった。性欲やときめきは減っていくが、信頼や安心感は増えていくから。
性欲寄りの恋愛と友情寄りの恋愛があるが、私は友情寄りが合っていたのだと思う。