ダメを探すんじゃなく

 私は多くの女性のだめんず相談に乗ってきたが、だめんずにハマる女子にもいろんなタイプがいる。

 一般的によく言われるのは「自己肯定感が低い」説だ。「自分には価値がある、大切にされるべき存在だ」と思えないから、自分を大切にしない男を好きになる。
という説だが、これはあてはまる人もいれば、あてはまらない人もいる。「親に愛されて育ったし、友達や仕事にも恵まれて、自己肯定感は低くないと思う。なのに、だめんずにハマるのはなぜ?」と悩む女子にも会ってきた。

 私が見てきた範囲だと、やはり本来は長所である部分がマイナスに働くケースが多い。

 我慢強くてがんばりやさんだから、つらくても耐えてしまうし、「自分が努力すれば彼は変わってくれる」と信じてしまう。性善説で人を信じる心を持っているから「疑うなんて悪い」と騙されてしまう。

 包容力のある、面倒見のいいタイプは「自分が支えてあげないと」と思うため、だめんずの搾取に遭いやすい。懐の広さゆえ、クズな言動をされても許してしまいがちだ。

 心根の優しいタイプは拒絶するのが苦手だ。「拒絶したら相手が傷つくし可哀想」とノーと言えないため、ゴミみたいな男も受け入れてしまう。怒るのが苦手なので相手に合わせて我慢したり、「見捨てたら可哀想」とズルズル別れられないことも多い。

 明るく前向きなタイプは「相手の良いところを見よう」とするため、だめんずのダメさに気づけない。またマイナスな現実もポジティブ転換して、つらみから目を背けてしまいがちだ。「よかった探し」が得意なポリアンナも、だめんずにハマるタイプだろう。

 恋愛系のコラムでは「自己肯定感」「心の闇」が人気のワードなので、「自分に自信がないのかな、心に闇があるのかな」と理由を求める女子は多い。だが、自信満々で闇ゼロの人間の方が少ないだろう。きっと修造にだって闇はある。

 ただでさえ、だめんずと付き合うと自己肯定感を削られて、欠点に目を向けがちになる。
そこで「自分の何がダメなんだろう」とダメを探すんじゃなく「長所につけこまれているのでは?」と考えてみてほしい。

 逆に世間では欠点や短所と呼ばれる部分が、恋愛ではプラスに働いたりする。

 私は股ゆるゆるのビッチだったが、さまざまなキノコを見てきたぶん「これは食ったら死ぬやつ」「これはしめじに見えるけど、実は猛毒」と見分けられるようになった。
一方、身持ちの堅い真面目な女子は経験値の低さから、毒キノコをムッシャムシャいってしまったりする。

 ムッシャムシャいく前に、キノコ狩りのベテランに意見を求めてほしい。ムッシャムッシャいってからでは遅い。毒キノコには幻覚作用や依存性があり、他人の声が聞こえなくなるからだ。