フリーランス、家を買う

はじめての一人暮らしからちょうど10年。今度は、家を買うことにしました。今思うとヤバい。

すでに結婚はしていましたが、漠然とそれが「上がりじゃない」という気がしていました。
カタギじゃない私が、社会的にまともな相手(現在フリーターの夫は、当時はまだ会社員)と結婚できたのだから、それで十分だろ、私の中のカビラが「YES YES YES、ゴーーーーーーール!」と叫んでいましたが、心のどこかで不安でした。所詮フリーランスだし、仕事がなくなったらいつホームレスになってもおかしくないし、仕事がなくなる可能性はまあまあ高い。

もともと私が一人で住んでいた部屋に彼が引っ越してきて同棲がスタートし、そのまま結婚したので手狭だったのもあって、ヒマさえあれば二人でファミリー向け物件を見て回るようになりました。
そのうち妊娠してお腹の子供が男の子と判明し、いよいよ「買うぞ!」と物件探しに気合いが入りました。この子に何か残せるとしたら、不動産しかない!
息子の将来のため、という大義名分のもと、私はきっと「家を買う」ことで「カタギらしさ」を手に入れたかったのだと思います。

結果、若い頃6畳の1Rを借りるのにも苦労した惨めさよりも、ずっとヘビーな敗北感を私は味わうことになるのです。

フリーランス、家、買えない…ってか、ローンが組めない!

まず、フリーが住宅ローンを組むには、過去三期分の収支報告書(所得がわかるもの)を銀行に提出して審査されます。要は確定申告を3年分やってないと入り口にも立てないわけだけど、私の場合は、あたった銀行すべてにローンを断られました。

収支報告書を見て鼻で笑われ、「エディターって何?なんの仕事ですか?」とバカにされ、挙句、「奥さんが足を引っ張ることになるから、二人ではなく旦那さん一人でローンを組んだ方がまだマシです」とまで言われてしまうのです。
二人より一人の方がマシって….どんだけ戦力外通告。
またしても徹底的な差別を受け、精神的に病む寸前までいきましたが、世間様からとことん見下されたことで、かえって私の闘争本能に着火しました。

結果として、私がローン審査に落ちた2年後に私たち家族は夢のマイホームを手に入れることができたのです。

どんな方法でフリー&ダラ嫁の私が家を買うことができたのか……
続きは後編で!

次回は<ダラ嫁、一念発起で家を買う。―後編― >です。
住宅ローンが組めないフリーランスがマイホームを買おうとしたら? 銀行では手取り12万円の会社員のほうがまだマシと突きつけられ、会社員の配偶者とは共同でローンが組めない…打開策はあるのか?奮闘の日々を記録します。