実際「どんな人?」はどう答えるか
逆に言えばそれ以外では、全く重要ではないということだ。
ちなみに私は他人に、「パートナーはどんな人ですか?」と聞いたことがほとんどない。
コミュ症最大の特徴は「他人に興味がない」という点だ、今、目の前にいる人間にすら興味がなく、ずっとヘルシェイク矢野のことを考えている人間が、そのパートナーにまで興味を持つはずがないのだ。
よって「夫はどんな人?」と聞かれたら、まず相手の社会性に感嘆する。
天気の話同様に、大して興味のない話を、コミュニケーションのために出来るというのは社会性の表れだ。
つまり相手は本気でこちらのパートナーに興味があって聞いているわけではなく、ただの「沈黙つぶし」のために言っている可能性が高い。
よって、こちらもマジで答える必要などないのだ。
むしろマジになって、パートナーの悪口を言いまくったら「じゃあそれを選んだお前の目玉は、あの給食に出てくるフルーツポンチに入っている大して美味くもない白玉か」と不愉快になる人もいるし、逆に自分のダァがいかにイケているかを早口で話しても当然ウザがられる。
つまり「夫はどんな人」という質問は、マジで答えれば答えるほどこちらが損する可能性が高いため「マジメに答えるな」というのは答えだ。
「普通です」の一言でいいのである。
例え、あなたが阿部寛と結婚した一般女性だったとしても、特にそれを言う必要はないのだ。
もし、パートナーが普通じゃなかったとしたら、それはSNSで発表した方がバズって承認欲求が満たされたり、PR広告の仕事が来て飯のタネになる可能性が出てくる。
それを、タダで言って、たかが職場の人間の小笑いを得たり、最悪不興を買ったら損でしかない。
せっかくパートナーが普通じゃないなら、得することを考えるべきだ。
これがエッセイをやる奴の思考なので、やはりエッセイをやる奴だけとは結婚すべきではない。
Text/カレー沢薫
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