まずは収入と支出の実態を『見える化』しよう!
では、具体的にどうやってお金の使い方を擦り合わせていくか。その具体的な手順を紹介します。
まず、世帯の月・年の収入と支出がどれくらいかを確認することです。
斗比主家は二世帯住宅で、水道光熱費を義実家と折半しています。以前、姑から「一世帯のときはこんなにお金はかからなかった。もしかして、そちらが使いすぎているんじゃないか」とこちらが無駄使いをしているのではないかと疑われたことがあります。
「では、調べてみましょう」と確認すると、二世帯になったことで使用料が増え、基本料金がアップしたことが要因でした。我が家が原因ではなかったわけです。
こういうのは、見える化されていないから疑惑が起きるんですよね。
「妻がブランド物のバッグを頻繁に買ってるんじゃないか」と疑っても、実際は半年に一回程度で、しかもオークションで落札した安いものだったり、単にレンタルしていたものだったりなんてことはありえます。
疑惑が先にあると、目に入るすべてが相手の無駄遣いに見えてしまいがちなんですよね。
だから、お互いに不透明なところがないことを相手に納得してもらうために、月の収入がいくらか、支出はいくらかを家計簿みたいなものを作って夫婦で確認するわけです。
最近は収入は伝えない家庭もあるようですから、その場合は支出に特化してチェックですね。
家族会議で夫婦のゴールを確認
そうして実態の数字が確認できて初めて、家族としてのお金の使い方の議論ができます。
ふだんの生活費をどれくらいにするかは、言っちゃえば生活水準をどれくらいにするかの確認ですね。
100g60円のブラジル産もも肉でいいか、100g500円の和牛を食べたいかみたいなところからです。派生して、誰がその支出にちなんだ家事をするかというのにも検討します。
こうやって話していくと、持ち家とするか、子どもを持つかについては、かなり意見に差が出るところです。
人生観が大きく反映されるところですから、自分が正しいと思わず、相手の意見を聞いた上で、自分たちの現状の収入と支出を横目に見て、現実的な落としどころを探っていきます。
そして、夫婦でこれからどんな家族をゴールとしたいかを共有するわけです。
もちろん、この作業は、簡単なことではありません。数字が苦手な人はいるだろうし、相手が数字を明らかにしてくれないこともあるでしょう。
でも、これをやらなければ、お金の使い方のすれ違いが起こり続ける。
お金って、多くの人にとっては自分の時間を交換して得るものですから、人それぞれ相応に思い入れがあります。こういう支出をする家族の在り方は当然とか、相手のお金の使い方はおかしいみたいなところから話をスタートすると、まあ、揉めますよね。
まずは相手の家族観・人生観を尊重し、自分の考え方を伝えた上で、擦り合わせていく。
面倒くさいプロセスですけど、組み立てられたときには達成感はあるし、ゴールを共有している同士だと思うとやりがいも共有できますよ!
Text/斗比主閲子
※2016年8月3日に「TOFUFU」で掲載しました。
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