ダンマリする・泣き叫ぶ人が自分でできること、周りができること
私の子どもがダンマリしたり、泣き叫んだりしているときは、まずは本人の顔を見て、時には抱きしめながら、「嫌だったんだね」「辛かったんだね」と伝えています。こうすると本人が「自分は嫌だったんだ」「辛かったんだ」と自分の感情に気付くことができます。
感情の存在に気付けば、他人に「辛い」「悲しい」と伝えることもできるようになり、感情のコントロールの仕方も学べるようになります。幼稚園や保育園の先生がよくやっているテクニックです。
ただ、子どもが大きくなり、語彙も増え、自分の感情にも気付いているのに、ダンマリや泣き叫びをやるようだと、それには反応しないようにしています。親が察して反応してしまうと、ダンマリや泣き叫びで人が動くことを学んでしまいますから。一方で、子どもが説明したことはしっかり受け止めて、対応をする。
子ども相手も大人相手も、接する態度は基本同じだと思います。違いがあるとすれば、大人はより自分で自分を客観視できること!
ダンマリや泣き叫びをしがちな人は、まずは自分が辛いと認めることがスタート地点だと思います。「すごく嫌な気持ち!」と心の中で認めて、そのあと何が嫌なのか書き出してみる。中に溜め込むのではなく、言葉で外に吐き出す力を養っていくわけです。
ダンマリや泣き叫びをしがちな人と今まさに一緒にいる人は、「嫌だったんだね」「辛かったね」と本人が感情を認識し、言語化することをサポートしてあげるといいですね。そして、相手が言葉で何が嫌かを説明したら、ちゃんと反応すること。聞き手がボールを受け取らなければ、相手はダンマリや泣き叫ぶようになってしまいます。
お互いに伝えたいことがあればホワイトボードの前で
自分の中で感情を言語化するところまではできたとして、嫌なことを相手に伝えるというのは結構難しいものがあります。
嫌なことを伝える、ということは、相手にしてみれば、自分への攻撃だと受け取られることがありますからね。「毎日ゴミ出しをしてほしいんだけど」が「あなたは怠惰だ」と脳内で変換されちゃうことがある。攻撃だと受け止めてしまったら、反撃をする。そうして、気付いたら、喧嘩に発展してしまう。
嫌なことを相手に伝えるときに私がお勧めするのは、ホワイトボードや紙を目の前にして、そこに書き出すことです。
こうすると、誰かの嫌なことが客観的な問題として見えてくるんですよね。嫌なことは相手への攻撃ではなく、紙に書かれた2人の問題になる。 紙に書き出して、その上で解決策も整理すると、言った言わない論争も起きないし、多弁なほうが勝手に結論を誘導することも避けられます。
お互い愛し合って結婚生活を送っているわけですからね。コミュニケーションの方法が上手くないぐらいで、ダメになっちゃうのはもったいない。嫌なことをお互いに気軽に共有し、解消できたほうが楽しいと私は考えています。
Text/斗比主閲子
初出:2017.03.15
- 1
- 2