で、結局、お前は刀剣男士の中で結婚するなら誰なわけ?
答えなくていい。
聞いてないからじゃない、すぐ答えられる問いではないとわかっているからだ。三日…一週間、よし一ヵ月後にまたこのバーで会おう。
まず刀剣男士が何なのかわからないという、ジャングルでゴリラに育てられた者に説明すると、ブラウザゲーム『刀剣乱舞』に出てくる、刀をイケメンに擬人化した2次元キャラクターたちのことだ。
説明された上で、2次元キャラと結婚するなら、という質問の意味がわからん、という者は故郷へ帰れ。この仕事には向いていない。
そんなの考えるまでもなく一番好きなキャラだろうと思われるかもしれない。私で言ったら長谷部である(一応、北京原人とアウストラロピテクスのハーフにも説明しとくが、刀剣男士のうちの一人だ)
それが意外と違うのだ。もちろん一番好きなキャラと結婚したいキャラが同じ者もいるが、リアル世界でも、つきあう男と結婚する男は別、というしゃらくさいことを言う女がいるだろう。二次元も同じだ。
結婚相手だけじゃない。彼氏にしたい男士、弟にしたい男士、兄にしたい男士、他人にしておくのが一番な男士。全員別の名前を挙げるオタクだってめずらしくない。
よって長考が必要なのだ。ある意味リアル結婚相手を選ぶ時より悩む。あらゆるシチュエーションと可能性を考慮して答えを出さなければいけないのだ。何せ結婚だ、一生の問題である。
ちなみに現在、まず長谷部との結婚を考えて「え、恥ずかしい、照れる、無理」となっている。早くも本気汁だ。
しかし長谷部と結婚するにしてもまず「どの長谷部か」にもよる。長谷部に種類があるのかと思われるかもしれないが、本丸(プレイヤー)の数だけ長谷部はいるのだ。つまり少なくとも長谷部は100万種類ぐらいある。もちろん正確な答えを出すには100万種類の長谷部と100万回結婚する必要があるので、もう少し時間がかかりそうだ。
よって、まず長谷部以外の男士を考えてみよう。結婚するなら例えば、燭台切光忠はどうだろうか。
もちろん燭台切も100万種類いるが、一人一人と100万回結婚していたら私の人生が若干足らないので、申し訳ないが今回は私個人のイメージで語らせてもらう。
燭台切が夫、素敵だ。もうその時点でタワマンの最上階に住んでそうだし、奥様方のマウンティングにも圧倒的勝利だ。
しかし忘れてはならないのが、燭台切と結婚しているのが自分という点だ。
今「自分が燭台切と結婚してる!?」と腰を抜かして心肺停止した。つくづくオタクの生活は心臓が止まりやすいし、たまに内臓が全部爆発する。
このように、途中で命を落とすことが多い夢豚の婿探しだが、理想の夫を見つけるためだ。全身をチューブだらけにしてぐっと耐えよう。
燭台切は、数十種類しかないゲーム内での台詞でもわかるとおり、きちんとしたタイプであり、特に身だしなみには気を配っている。おそらく相手にもそれを求めるだろう。家にいる時も化粧をしてほしいと思っているタイプかもしれない。
あかん(あかん)
?
この結婚は不幸だ。お互い不幸になる。もう少し、細かい事は気にしないタイプの方が上手くいく気がする。だとしたら山伏国弘はどうだろうか。家が燃えていても笑い飛ばしてくれそうだし、瓶の蓋が開かなかったら、瓶側を握りつぶしてくれそうだ。実におおらかで頼りがいのある夫である。
しかしダメだ。
彼は超アウトドア派である。
インドア派とアウトドア派の結婚と書いて「不幸」と読む場合もあるのだ。「全然気の合わない夫だが、アウトドアに興味がない点だけは本当に良かった」という女が結構いるぐらいである。
このようにメチャクチャマジで熟考してしまうのだ。しかし熟考しすぎると大体「私と結婚するような男士は私の好きな男士じゃない」という結論に達するので、自分の性格を考慮するのは良いが、スペックまでは視野にいれないのがコツである。
2次元に全く興味のない人間でも、例えば「嵐と結婚するなら誰」と聞かれたら、結構真面目に考えてしまうだろう。「彼氏は松潤、旦那はリーダー、ニノは…ニノは何だ!!??」と虚空を見つめたまま一ヶ月経つこともあるはずだ。
しかしこう言った空想をハナから「嵐がお前と結婚するはずないじゃん」と否定どころか嘲笑するものがいる。
「知ってる」
特にこっちは相手が画面から出てこないので、ワンチャンすらない。
話は代わるが「一休さん」に刀剣乱舞の画面を見せて「この中の長谷部を捕らえて見せよ」と震え声で言って「では殿様、まず長谷部を画面から出してください」と返されたら、即首をはねる。あの殿様は寛大だ。
だが、例え人の首をはねて殺しても唯一罪にならないのが脳内なのだ。そんな場所が与えられているのに、現実でしか許されないこと、起こらないことしか考えないというのは逆に何のために脳が、脳内があるのか。
?
もっと考えようぜ、絵空事をよ!
というわけで今回のテーマは「結婚式の思い出」だ。
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