「わざとでしょ?」と言っちゃうのはヤボ!
By Rob Boudon
しかし、あそこまでやられてしまうと、真っ向から批判するのがまるで野暮で無粋なことのように思えてくるから不思議です。
「田中みな実ってあざとすぎて嫌い」と言うのは、「グレート・ムタって武藤敬司のことでしょ?」とか、「タイガー・ジェット・シンって本当はいいヤツなんでしょ?」とわざわざ言ってしまうくらいダサいことなのです(意味がわからない人はお父さんかプロレス好きの彼氏に聞いてみましょう)。
「みんな、わかっててプロレスを楽しんでるのに……なんでそれ言っちゃうの?」ということですね。
それでは、「田中みな実、逆に好き」というスタンスはどうでしょうか。
ただでさえ女子アナは、美貌も学歴もあるのに、さらにキャリアと名声と金とモテまで手にしようとする欲深い職業、と世間からは思われています。
そんな逆境にあって、さらにヒール役に徹する彼女のポジショニングは、相当の度胸と覚悟が必要です。
そのせいで、エグいほど反感を買い、クソほど陰口を叩かれ、おびただしい嫌がらせを受けたに違いありません。
知りませんが、たぶんぬかみそに漬けたタンポンとかを匿名で送りつけられたこともあったでしょう。
それでも、彼女があのぶりっ子キャラをまっとうし、「EX大衆」に載るために(かどうかは知りませんが)フランクフルトをほおばったり、口の周りをソフトクリームでベタベタにしているのだと思えば、そのプロフェッショナルな仕事の流儀は敬服にすら値します。
「ずっと~さ~がして~いた~♪」
スガシカオの高らかな歌声が聞こえてくるではありませんか。