でも、結局そのうち“モテ”のダシに使われるんでしょ……
『カップル文化としてのクリスマスやバレンタインが死に、パーティー文化としてのハロウィンに息が吹き込まれつつある。
女性のファッションも、“男ウケ”から“女性同士の共感/コミュニケーションツール”へと変わった。
かぼちゃを馬車に変えて王子のもとへ行かなくても、かぼちゃの提灯で自分を照らせばいい。
そんな新時代の魔女こそ、きゃりーぱみゅぱみゅなのだ!』
……みたいな感じでね、適当にお茶を濁してチョチョイと結論づけてしまえば、この原稿もキレイに終われるのかもしれません。
でもなあ、現実はたぶんそんなキレイじゃないよね、とも思うわけですよワタクシ。
ハロウィンだって、なんだかんだ言ってバリバリに男目線を意識したセクシー要素たっぷりの魔女コス、たくさん見かけましたしね。
そんな女性に吸血鬼orゾンビコスの男、いっぱい群がってましたから。
結局はリア充イベントみたいなところ、あるじゃないですか。
ファッションだってそのうち、「きゃりーぱみゅぱみゅみたいな突飛で個性的なファッションの女の子が好き」とか言い出して、ニッチ層の女子を狙う男が現われるに決まってるんですよ。
そうすると、きゃりぱ好きの男を狙って“男ウケするきゃりぱ風ファッション”をする女性も出てくるでしょうしね。
「私は他と違う」と思いたい女性。
そんな女性に「俺はわかってる」アピールをして近付く男性。
そんな男性を狙って「わかられたい私」アピールをしてモテ出す女性。
結局、ファッションとカルチャーって、未来永劫その追いかけっこで回っている気がしませんか?
「そこに属しているアタシ/オレってカワイイ/カッコイイ」という自意識が存在する限り、どんな文化圏も最後はモテるためのダシに使われるのが現実です。
それを絶望と呼ぶか希望と呼ぶかは、あなたが決めてください。
以上、今年どのハロウィンパーティーにも参加してない男の戯言でした。
Text/Fukusuke Fukuda
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