いい年ぶる女[イイトシ・ブル・オンナ] iitoshi・buru・onna
生息地:大学の学食、社食、1○9のバックヤードなど、ほっと一息本音が出そうなスペースにところ構わず出没。 特徴:テレビや雑誌で目にしながらの「そういえばこの人いくつだっけ?」が口グセ。活躍しているタレントが年下だと「まだまだ若いわね」「これからが大変よ」などの余計なひと言が続く。
20代のくせに「ウチら、もういい年じゃん」と言ったり、30代で「そろそろあたしたちもおばさんだから~」などとやたら「いい年」を強調するひと。結構心当たりあるんじゃないかと。
大抵そういう「アタシももう年だから」と口にする人たちは、「こう見えて若くないの。ごめんなさいね。テヘペロ」みたいな謙遜か(いらないいらないそんな謙遜)、もしくは「え~そんなことないよ~まだまだ若いわよ~」と突っ込まれ待ちの“若さを他人から肯定してもらいたい”人。
特に日本はこんなに女性の地位もアップして、能力評価も浸透してきている今でも、強力カビハイターじゃないと退治できないお風呂場のパッキンのカビくらい根強く「女の若さ信仰」が残っているから、仕方ないところもあって、いろいろ大変だね、とそっと肩をポンとしてあげたい気分にもなるんだけど、そうはシャルルの問屋は卸さないわ。
だってそれは、その女性自身の中に年齢差別の意識があって、それを先に自分から「自覚している」と公言することで、年齢差別から自分を守ろうとしている卑屈な行為だから。
差別に対してそれから逃げようとするのは全然いいことだけれど、差別そのものに対抗せず、それを受け入れてしまうのは、世のため人の為にならない。
この間、よだれがでるくらいセクシーな俳優に成長したザッくん(ザック❤エフロンくん)が、ゲイアイコンにされていることを記者にどう思うか聞かれていたの。そうしたらもちろん「光栄に思うよ」と答えるわけ。まあ、ここまでは社交辞令としてファンを大事にするスターとして当然の受け答え。
秀逸なのがその後。日本の男脳メディアならザッくんに「え~こまっちゃうなぁ」みたいな反応をしてもらい、「オマエらにファンになってもらうのなんて迷惑だってよ、バーカ」と暗にゲイを侮蔑する記事しちゃうところを、さらに記者が彼の隠れたホモフォビアを掘り起こすべく、本人もゲイ疑惑が出ているという噂について意地悪くも聞いた質問に対しての答えがコレだ。ワン、ツー、スリー♪
「そもそも僕は噂に怯えながら暮らすなんて好きじゃない。そんな風に育てられたわけじゃないし。だけど、僕にはゲイであることの何が悪いのか、サッパリわかんない」
「自分はゲイじゃない」と否定することで差別する側の意識に乗っかるわけでもなく、はっきり否定しないで「隠してる!」と下衆の勘繰りを続けさせるわけでもなく、ゲイ差別をする側に対してはっきりと、しかしスマートに返したこの言葉! ハリウッドでスターになる人間は違うわぁ。まだ20代前半なのに。
これに倣って「いい年ぶる」女子たちも、若さを価値にされる自分たちを受け入れるでも、若くない自分を自嘲するでもなく、「年齢? それが何か?」とスマートにかつ効果的に、年齢差別をするオヤジどもに、モハメド・アリのストレートパンチ並みの一発を喰らわせて強く美しく生活してほしいわね。
特に、これをどっからどう見ても“若い”女子が言うことが効果的なの! 蝶のように舞って蜂のように刺しまくって頂戴。脱年齢差別の世の中はあなたたちに掛かってる。ガンバってほしいわ。
advice
年齢が話題になったら「年齢? それが何か?」と話を断ち切るべし。特に男が年齢の話をふってきたら「まだまだ若い」アピールも「もう若くない」謙遜もヤツらの思うツボ。絶対のっかっちゃダメよ! 特に、若さを褒められたら「え? 若いっていいことだっていう人がわけわかりません」と相手のバカさ加減を思い知らせて、目に物見せてやりなさい! 絶対見なさい!(やだ、別キャラはいっちゃった…)