そもそもセフレにされてる女の目的は
私は狙った男を獲得するという目的を達成するためなら、どれだけでも汚い手を使い、醜態を晒し、泥水すするつもりでいるけど、そもそもセフレにされてる女たちの目的は単純に「男を獲得する」ことではなく「私自身の魅力によって彼のほうから能動的に真剣交際を申し込んでくること」だからだ。
この欲望は、どうしても素人とセックスすることにこだわる男と似ている。二万そこら払えばいつでも自宅にプロのお姉ちゃんを呼んでセックスすることができるというのに、多くの男たちはまんこに値札のついてない女を客単価三万のレストランに誘い、シティホテルを予約して、セックスできたりできなかったりするコスパの悪い回り道を選ぶ。
それは彼らの目的が単純に「セックスすること」ではなく「俺自身の魅力によって女のほうからセックスに同意してくること」だからだ。
そしてそういう男の多くが、一度セックスした女にそこまで興味がなくなるように、セフレにされてる女も彼がある日土下座して「愛してます!結婚してください!!」と言い始めたら、もうその時点で彼女の目的は達成されているので、その男への興味がなくなるのは目に見えている。その男が高給取りだった場合などはそのまま結婚して引き続きセックスしたりするパターンもあるのだろうけど、セフレ時代に深夜に急に呼び出されてタクシーの中で慌ててメイクしたときのような高揚感は二度と得られるはずもなく。
もうこれは「縄で縛られて鞭打たれたい」とか「女子高生の靴下の臭いを嗅ぎたい」みたいのと同じ、「セックスはするけど交際の話を持ち出すとうやむやにしてくる男に冷たくされて傷ついたり、それでも微かな希望を捨てられなかったりしていたい」という特殊性癖の領域なのです。
なのでセフレにされてる女がセフレにしている男に抱くべき感情は「ひどい!」ではなくて「私の性癖に対応していただいてありがたい!!」なはずなのだけど、セフレ志願者という特殊性癖の持ち主にとっては本気で「ひどい!」と思って一人で泣いたり、セフレにされてる状況について女友達にくだを巻くところまで含めての性癖なのでしょうし、人生を謳歌していらっしゃるようでなによりです!
惜しむらくは私に「セフレにされてる状況について女友達にくだを巻かれたい」という性癖がないことくらいでしょうか。
Text&Illustration/峰なゆか
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