どんな会社でも、入社したての頃は戸惑いでいっぱい。
馴染めない仕事に、冷徹な上司。慣れない接客に、机にはバイブレーター。
……バ、バイブレーター!?
ええ、その通り。そこは“ラブグッズ”を作る会社なのです。
ウィンウィン鳴っているバイブと、タラ~ンと垂れるローション。その前で腕を組み、真剣に悩んでいる社員たち。
「うっわあ……とんでもない会社に入ってしまった……」
新入社員の主人公は戸惑います。
しかし、ここは誰かのラブライフのために、精一杯の愛情を注いで商品開発に励む場所。
ラブグッズ版『プロフェッショナル 仕事の流儀』なのです。
原作は無料官能漫画サイト「LCスタイル」で連載された、シンマ ミサの同名コミック。
是枝裕和、西川美和、中島哲也といった有名監督のもとで助監督をし、2009年に『僕らはあの空の下で』で劇場映画監督デビューした平林克理が監督を務めます。
理想と現実に狭間に揺れ、すべての働く女性の共感を呼ぶ主人公・茜を安藤聖が演じ、中村倫也、羽鳥名美子、黒瀬友望、千葉雅子といった個性豊かな俳優陣がラブグッズ開発会社の社員として、茜を支えます。
実在するラブグッズのブランド『エルシーラブコスメティック』をモチーフに描かれる、“セクシャルヘルスケア”の世界。単にエッチするためだけの道具ではなく、身も心も健康にして、愛に溢れた生活を提供するブランドの中身を覗いてみましょう。
ストーリー
突然のリストラに遭い、絶望の淵に立たされた26歳の茜(安藤聖)にさらなる悲劇が訪れる。結婚をするはずだった長年付き合っている彼氏の浮気現場を目撃してしまい、一夜にして職も恋人も失う。貯金も尽きた彼女は、就職情報誌で憧れのデザイン職の広告を見つける。
デザイナー志望の彼女はトントン拍子で採用され、就職。しかし、入社した『ラブクラフト社』はなんとラブグッズを扱う会社だった!
次々に登場する女性用セクシャルグッズに戸惑う茜。イケメンなのに冷徹な教育係の田村(中村倫也)、経験豊富の女性上司、掴みどころのない社長に囲まれ、「こんなはずじゃなかったのに……」と葛藤する茜はミスを連発し、仕事に対してやる気も出ない。
しかし、次第に社員のラブグッズにかける情熱と愛を知り、商品に救われた顧客の声や彼氏とのセックスに悩む友人の声を聞くにつれ、ラブグッズの大切さを実感していく――。