今が決して当たり前じゃない。今があるのは過去のおかげで、その過去には様々な戦いがあった。
たとえば、ある日突然働き口を奪われたら? もしくは、自らの性を否定されたらどうする? 今に至るまでの過去を描いたこの映画には、その二つについて回答がある。
誤解が理解を飛び越え、和解に至るまで。決して交わることのなかった、炭坑労働者と同性愛者たちのプライドを賭けたパレードとは?
第72回ゴールデングローブ賞で「作品賞」にノミネートされ、「ロンドン映画批評家協会賞」など数々の映画祭で話題に。
マーガレット・サッチャー政権下、荒れるイギリスを舞台に炭坑労働者たちのストライキに同性愛者の団体が支援するという実話に基づいたお話です。
監督は第63回トニー賞を受賞したマシュー・ウォーチャス。舞台作品中心の彼だからこそ、ビル・ナイ(『ラブ・アクチュアリー』、『アバウト・タイム』)やイメルダ・スタウントン(『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』)らイギリスのベテラン役者の力を信頼した演出が光る。
ストライキの先頭に立つマーク役に新人俳優ベン・シュネッツァーを起用し、時代の変革を描くだけでなく青年たちの成長を美しく映し出します。
社会の隅っこで生きる人が闘った理由とは?
【簡単なあらすじ】
1984年、ロンドン。サッチャー政権下で炭坑労働者組合は危機に晒され、多くの炭坑労働者が反発した。そのニュースを見た同性愛者のマーク(ベン・シュネッツァー)は、仲間たちと手を組んで“LGSM(炭坑夫支援レズビアン&ゲイ会)”なる団体を作って募金活動を行なう。
しかし、偏見と差別でゲイとレズビアンは冷遇され、賛同してくれる組合も見つからない。そんな中で、ウェールズ奥地の炭坑町・ディライスの役場だけが唯一受け入れる。
役場はマークの団体が何の集まりか分からず迎え入れてしまった。そのため、当初は同性愛者ということで距離を置いていた炭坑労働者たち。しかし、次第にマークたちを受け入れていく。やがて二つが手を組み、大きなストライキに乗り出していくが――。