新婚以来の旅行で気づく夫婦の真髄『ウィークエンドはパリで』

 付き合っても3ヶ月で感情は薄れる。結婚しても3年で愛は薄れる。
……そんな世間のジンクスが頭の片隅にある。それでなんとなく、30年間夫婦を続けてきた。
そんな熟年夫婦がフランスに向かいました。

 互いに不満たっぷりなので、ちょっとしたことでケンカして、何度も険悪ムードに。これが30年間の集大成なのか。夫婦はやがてこうなるのか。
思わず溜め息をつく。でも、それが深呼吸にもなる。
パリの街並を眺めながら一息入れて、すぐ傍にある愛を見つめ直す。そんな一時はいかがでしょうか。

たけうちんぐ 映画 死ぬまでには観ておきたい映画のこと パリ 夫婦 熟年 2013 Free Range Films Limited/ The British Film Institute / Curzon Film Rights 2 and Channel Four Television Corporation.

『ノッティングヒルの恋人』『私が愛した大統領』のロジャー・ミッチェル監督が、新婚旅行のパリに再び訪れた熟年夫婦の絆を描く。
絆といっても互いに毒を吐き、衝突が絶えない。そんな夫婦を演じるのは『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』のジム・ブロードベントと、『トスカーナの休日』のリンゼイ・ダンカン。

 本国イギリスで22週に渡るロングランヒットを記録し、パートナーを持つ誰もが共感を覚えたといいます。これは“男と女”という永遠のテーマに挑む映画でもある。
長く愛し合うためにどうすればいいか、そのヒントが多く隠されているのです。

先輩カップルが教えてくれる“夫婦のあり方”

 【簡単なあらすじ】
 結婚30年目の熟年カップルの夫・ニック(ジム・ブロードベント)と妻・メグ(リンゼイ・ダンカン)は、新婚旅行以来のパリへとやって来た。
ブレア首相も滞在していたという最高級スイートにチェックインし、凱旋門や美術館を巡り、フランス料理と旅を満喫する二人だが、ニックが「仕事を解雇された」と告白したことをきっかけに、お互い長年の不満をぶつけ合うことに。

 やがて街でニックの大学時代の友人・モーガン(ジェフ・ゴールドブラム)と再会し、二人は彼のパーティーに出席する。人気作家として名誉と富を得たモーガンと彼の知識豊富な友人たちに囲まれ、ニックは懐かしさと劣等感で心が引き裂かれてしまう。
窮地に立たされたニックのためにメグが告白する、彼への本当の想いとは——。