他人からではなく、自分で自分を評価できるように
この思い込みは恋人関係でも発動するのでしょう。でも、本来好きな人のために何かをするのは、自分がしたいからしているのであって、感謝されたり大事にされたりすることの対価ではないはずです。
それなのに、なぜかどこかのタイミングで「これだけしたんだから、相手からのお返しがあってしかるべき」という期待の感情にすり替わり、相手のリアクションに一喜一憂してしまう。
冒頭の「忙しくてもメールは返せるでしょ!」「好きなら時間を作ってよ」「記念日くらい、ちゃんとしてよ」などは、全部このパターンに当てはまります。
その心の奥には、自分の存在価値を、大事な人の評価や、してもらった事の大きさで決めてしまう思考癖がある。
健気と言えばそれまでですが、他人の評価で一喜一憂する生き方は、考え方によってはとても危険といえなくもありません。
子どもの頃から親や友達や恋人など、その時々で1番評価されたい人の気持ちや希望を読み取り、叶え、喜んでもらうことで、結果的に自分の評価を上げてきたという経験があります(そうじゃない人もいるかもしれませんが)。
だからこそ、ナチュラルに相手に何かをすると、同時に期待をする思考回路が組み上がっているのかもしれませんが、自分の評価は他人がしてくれたことの大きさで決まるものではありません。自分の気持ちで自分の人生を決めていくことが必要なのです。
「他人から嫌われるのが怖い」とか、「彼が何かをしてくれたから幸せ」という感覚はごく自然に抱いてしまうものですが、もしかしたら自分の価値を決める権利を自ら放棄する行為かもしれません。
私は私の人生や自分の価値は、私が決めていると、堂々と言えるようになりたいです。
あなたの人生や価値は、誰が決めているでしょうか?
Text/おおしまりえ
初出:2018.09.26
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