過去の自分の選択に誇りを持てるように
恋人というのは、付き合いが長くなるにつれて、自分の生活に存在していることが当たり前になっていき、比重も大きくなっていきます。
それがなくなってしまったのですから、さみしくて、つらくて、当然です。
もともと存在していたものがなくなり、穴がぽっかり空いてる状態では、頭も心もぐしゃぐしゃなはず。
相談文にも書かれている通り、優しい彼だったんですよね。
彼だって、あなたと別れたくないと縋ることもできたはずなのに、最後にあなたの気持ちを尊重してくれた、ともあります。
過去のわたしはやってしまいましたが、ここであなたが「やっぱりヨリを戻したい……」なんて連絡してしまったら、彼のあなたに対する最後の思いやりを無下にすることになってしまいます。
あくまでもわたしの想像ですが、あなたもそれを望んでいるわけではないのでしょう。
日にち薬、というものが存在するのをご存知ですか?
過去の連載でも日にち薬についてお話しさせていただきましたが、時間は確実に自分の心を癒し、かたちを変えてくれます。
もっと時間が経って、彼のことがまだ好きだという気持ちが持続するようなら、別れた後悔が少しも薄れないようなら、無理を承知でまた彼との交流を持ってもいいと思います。
人との縁は流動的ですし、縁があれば自ずとまた繋がって強固になるものですから。
でも、まだ自問自答を繰り返している真っ最中で、感情の振り幅が大きい今、それをするのは早いと思います。
日にち薬の効果が出るまで、しばらくの間は友達に泣き言を言ったり、スイーツバイキングに行ったり、大盛りの牛丼を何杯も食べたり、ひとりで朝まで居酒屋をハシゴしたり、楽しいことに専念してください。
ちょっといい旅館に泊まって温泉に入ったり、ひとり旅だってきっと楽しいはず。
いつもは躊躇してしまうお高めの買い物だって、したっていいんですよ。
一人の人と真剣に付き合い、自分の心の声に耳を傾け、一生懸命悩んだ過去の自分を認めるために、今は自分で自分自身を存分に甘やかしてあげてください。
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この連載では引き続き読者の皆さまからの恋愛相談を募集します。
最後の一歩が踏み出せない方の背中をドーン!と押すため、今にも崖から落ちそうになっている人を腕一本で引き上げるため、誰かに厳しく叱られたい方の左頬をフルスイングで打つため、わたくしポジティブゴリラは日々ゴリラらしく腕力を鍛えてお待ちしております。
Text/ものすごい愛
Banner design/saori・tanaka
初出:2020.03.12
※現在、多数のご相談をいただいております。
ものすごい愛さんに順次回答いただく予定ですが、隔週掲載となるためお待たせしまうこと、すべてのご相談に回答できない可能性もございます。
誠に恐れ入りますが、何卒ご容赦くださいませ。(AM編集部)
『命に過ぎたる愛なし』が書籍化!
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恋愛の地点ごとに分けられた6つの構成で、大幅加筆のうえ、10項目の書きおろしをプラス。
寄せられた相談ひとつひとつに「大切な友達」だと思って回答したという、ものすごい愛さん。手元において読み返したくなる1冊になっております。