すべてを鵜呑みにせず、選択するきっかけに
いくら自分はこれでいいんだと思っていても、周囲の人から「なんでそんな男と付き合ってんの?」と言われてしまうと、その決心は揺らいでしまうもの。
まあ、よくある話ですよね。
でもあなたは、他者からのアドバイスを真摯に受け取るべきものなのかどうか、一度落ち着いた頭で考えた方がいいと思います。
たとえば、心から信頼している友達が、あなたの幸せを思って、しっかり細かい部分まで話を聞いて、じっくり考えたうえで、ときに厳しいことも言ってくれる人なのであれば、一度それを受け止めて「自分の判断は正しいのか? 自分の選択は幸せになれるのか?」と考える時間を持つことは必要です。
でも、信頼関係を築けていない知り合いからの、その場の雰囲気に合わせた軽いノリで「え~? そんな男やめちゃいなよ~もっといい男なんてたくさんいるって~」という言葉であったり、表面的で少ない情報量の中でジャッジしているようであれば、それをいちいち聞き入れてたら疲れてしまいますよ。
何気ない一言で気づかされることもありますが、全ての意見にその都度振り回されてしまうのは、賢い行動とは言えないですよね。
人からのアドバイス、客観的視点からの意見というのはたしかに大事です。それがどんな相手からのものであれ、その通りに行動したり、真に受けてしまうのではなく、自分なりに誠実に解釈して取捨選択するきっかけとして、用いてほしいと思います。
相談文の中に「彼はなによりの理解者、世界で一番、わたしが甘えられる相手で大好き」とありますが、それってめちゃくちゃラッキーなんですよ。
そうやって堂々と言える存在はなかなかいませんし、彼自身の魅力と、長い時間をかけて一緒に培ってきた、とても尊い関係。他人から見てわかるものではありませんし、給料や勤めている会社の名前と違って、簡単に計れるものでもありません。
それこそ他人と比べられないもので、あなたが一番絶対評価すべき点です。
彼に対する不満として、「就職浪人にして入った会社が自分の会社よりも小さい」ともありましたが、それは彼の魅力を覆すほど大きなことでしょうか?
たしかに、今の彼と同じくらい精神面で魅力的で、大きな企業に勤めていたり給料がよかったりなどのスペックが伴っている人もいるでしょう。
そういう男性と付き合いたい、と思うのはあなたの自由で、好きにしたらいいと思います。
ただし、その保証はないこと、そして高スペックの男性と付き合うよりも、自分にとってなによりの理解者で世界で一番甘えられる男性と付き合う方がずっとずっと難しくて尊いということは、知っておいてください。
勘違いしてほしくないのですが、彼に対する不満を抱えて見て見ぬ振りをしたまま付き合い続けろ、と言っているわけではありませんよ。
結婚をして今後一緒に生活をすることを考えなくてはいけなくなったときに、給料が安すぎて将来のプランに不安しかない、福利厚生が悪くて生活がままならないのに怠け心から転職を真面目に考えてくれない、彼が自分の会社の方があなたの会社より劣っていると卑屈になる、といったことが見えてきて、彼があなたにとっての「よき理解者」「甘えられる相手」でなくなり、好きの部分より不安が大きくなってしまったら、きちんと今後について考えるべきだと思います。
絶対評価は永遠にし続けるものではなく、定期的なアップデートは必要です。
わたしは恋人や配偶者を“育てる”という言い方は好きではありませんが、相手のことを今よりももっともっと好きになるために“リクエスト”はしてもいいと思います。
彼を一度絶対評価で認めて、それがさらに揺るぎないものとなるように、彼とどんなカップルになりたいかを明確にしていってくださいね。
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この連載では引き続き読者の皆さまからの恋愛相談を募集します。
最後の一歩が踏み出せない方の背中をドーン!と押すため、今にも崖から落ちそうになっている人を腕一本で引き上げるため、誰かに厳しく叱られたい方の左頬をフルスイングで打つため、わたくしポジティブゴリラは日々ゴリラらしく腕力を鍛えてお待ちしております。
Text/ものすごい愛
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