愛情表現の種類や量は、人によって違う

わたし自身は察しのいいタイプではなく、何事においてもわかりやすくてシンプルな方が好きですし、そして自分が感情を溜め込むのが苦手なのですぐに口に出してしまいます。
好きだと思った瞬間に「大好き! 世界一のラブ!」と、相手を愛おしく感じた瞬間に「かわいい! この国の宝かよ!」と、幸せに触れた瞬間「生まれてきてよかった~! 人生はサイコー!」と、ずっと言葉に出してきましたし、そういうやり方をしてよかった、わたしに向いている、という実感もあります。
だからといってみんながそうあるべきだと押し付けるつもりはありませんが、自分の感情を言葉に出すことを躊躇する必要なんてないのにな~とは常々思っています。

そういう考え方で生きてきたこともあり、わたしは“察してちゃん”という存在がとても苦手です。
察してちゃんと接すると「うわ~~~めんどくさいよ~~~」とうんざりしてしまいますし、「いや! 言えよ! 察してもらうことを待ってるだけじゃなにも変わらないぞ!」と憤りを感じてしまうんですよね。
ちなみに、わたしが思う“察してちゃん”というのは「常に受け身で、他人から与えてもらえるのを当たり前だと思っていて、自分からは何もしないくせに思い通りにならないと文句ばかりを言う人」のことで、「口数が少ない」「感情表現が大きくない」というのはまた違うのだと思います。
だから、あくまでもわたしが感じたことですが、あなたの彼は決して察してちゃんというわけではなく、ただ単にあなたとは感情の表現方法が違うだけなのではないでしょうか。

「好き」「愛してる」「一緒にいて幸せ」という感情を言葉に出すことは、相手の聴覚にアプローチをする愛情表現ですよね。
これは受け取る側としてはとてもわかりやすいですし、あなたは恐らくこれを求めていらっしゃるのだと、相談内容から読み取りました。
だから、あなたが求めている愛情表現とは違うのかもしれませんが、彼はあなたからの聴覚的な愛情表現を受けたときに嬉しそうな顔をしていたり、あなたが落ち込んでいるときに寄り添ってくれたり、あなたが飛び込んだら受け止めて抱きしめてくれたり、お付き合いの中で彼から愛情を感じる瞬間はありませんか?
聴覚的なものが苦手な分、他の五感にアプローチをした彼なりの愛情表現をしてくれているかもしれません。
だとしたら、あなたはその変換方法を習得しておくのが良いのではないでしょうか。

持っている愛情表現の種類や量は、人によってそれぞれ違います。 これは、絵が上手に描けるとか、早く走れるといった得意不得意があるのと一緒で、生まれ持った素質や過ごした環境で長い時間かけて培っていくものです。
最初から愛情表現を言葉にすることが得意な人もいますし、苦手だったけれどだんだんと上手になってきた人、置かれてきた環境からずっと苦手なままな人だっています。
あなたは聴覚的な愛情表現を100持っていて、それを彼に100出しているとしたら、もちろん100%伝えていることになります。
それに対して、彼が彼なりの愛情表現で100%出しているにも関わらず、あなたのものさしで20%にしか感じなかったらもったいないですよね。
今後長く付き合っていきたい、ゆくゆくは結婚して一緒に生活したいと考えているのであれば、お互いが窮屈にならないように、あなたは愛情に関して自分のものさしだけでなく、彼に合わせたものさしも持ってあげてほしいなと思います。