ねぇ、あの娘のインスタに親でも殺されたの?/長井短

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 初めての方も2週間ぶりの方もこんにちは。長井短です。「内緒にしといて」楽しんで頂けてるでしょうか。

 このコラムを読んでくれた古い友人から「いい加減環境に迎合しろ」とLINEがきました。私だって迎合したい。でも何かがそれを邪魔するの。あぁ面倒臭いこの自意識・・だけど、家でクヨクヨしていても何も変わらないと思い、先日とある化粧品のパーティーに行ってきました。

 化粧品のパーティー。私のような陰キャラも、このモデルという肩書きのおかげで時々お情けのように呼んでいただけることがあります。

 皆さんもネットでパーティーレポートを見かけたことがあるのではないでしょうか。「あれ結局何してんの?」って思いません?高級なリッツパーティーって感じです。リッツパーティーしながら新作を試したりします。
 
 そして一番の目的はこれ。「SNS用の写真撮影大会」会場には豪華なフォトスポットがきちんと用意されていて、みんなそこでクールな1枚を撮り、SNSに投稿。そして拡散。任務完了です。
 
 そこまでお膳立てされても、結局いつも照れてしまい、中途半端な写真しか撮れません。なんか大体ブレてるし。顔もキマってないし。だけど誤解しないで欲しいのは「SNS用に気合い入れて写真撮るとかヤダ」なんて、私は微塵も思ってないってこと。本気で撮りにいってるのに撮れないだけだから。  
 
 最近巷では「アンチインスタ映え」的な空気が漂いつつありますけど、あれなんなんですかね?よし、今回のテーマはこれ。

私たちのSNS史

 Instagramを開けば次々出て来るお洒落な写真。全てが甘く可愛い小動物系から、暮らしの質にプライドが覗く寝かせ玄米系、とにかくストーリーを駆使する大はしゃぎ系やプロの皆さんによる非の打ち所ないアカウントなど様々なタイプのお洒落インスタ。私、どのタイプも大好物です。

 特に感動したのは小動物系による「イッツアスモールワールドの工事中の壁インスタ映え化」。凄すぎるイマジネーション。これには天国のウォルトも唖然ですね。

 一方で、アンチインスタ映えに最も目をつけられているのもこの子達。もちろん、撮影禁止の場所や、食べ物を撮るだけ撮って捨てる、なんかは駄目だけど、いや、これはもうインスタ映えどうこうではなく人間としてのモラルの問題でしょ。どうかしてるぜ。インスタは悪じゃない。

 他人が自分の毎日を可愛く楽しく飾っていることの何が気にくわないのでしょうか?93年生まれの私のSNSの系譜は、「前略プロフィール→mixi→Twitter→Instagram」ってな具合なのですが、確かにこの、矢印の部分。次のSNSへの移行期には新しいSNSへの反感を私も持っていました。「え、mixiって何?だるくない?マイミクとか必死すぎだろww」なんて思っていたのはほんの一瞬のことで、すぐに「mixi楽し〜〜!!マイミクマイミク〜〜〜!!」
 
 アンチインスタの人たちも、新しいものにビビっているだけなのでしょうか?うーん、ちょっとピンと来ない。やっぱり「イケメンの彼氏とイケてる友達に囲まれたあたしの、控えめに言って最高な毎日」みたいなのが鼻につくんだろうな。控えめに言って最高ってなんだよ。
 
 確かにこのアピールにはちょっとイラっとするし、誰かに見てもらわないと幸せを幸せだと認められないのはとっても悲しいことだと思います。幸せは誰に認められなくても幸せなままなはず。でも、本当にみんなアピールでやっているの? Instagramの投稿にそこまで意味を感じてるわけ?