舘そらみといいます。恐れ入ります。
あ、恋愛って体当たりじゃないんだ! ちょっとしたテクニックが必要なんだ! と気づいたのは、いつだっただろうか。
もっと言えば、「え、人間関係って、ただただ素直に正直に接して作られていくものじゃないんだ! なんか、相手への影響考えたり効果考えたりが求められてしまうんだ!」と気づいたときはいつだっただろうか。
人望が厚かったりモテる人たちに「マメ」「よく褒める」「甘え上手」といった共通項があることを知った衝撃は凄かった。
人望が厚かったりモテる人たちは、「なんかオーラ」とかがあってそうなるんだと思ってた。まさか何か具体的な行動によって人が寄ってきたりモテたりするなんて思いもよらなかった。
ちょっと、世の中に裏切られた気がしたよね。
そんな人間関係、汚い! って思っていたよね。
汚い! とか、思ってる場合じゃなかったよ。
恋愛のはじまりにちょっとした駆け引きが生まれ出した頃、「告白」よりも「口説き」が主流になってきた頃、それに気づけばよかった。
脱線するが、20代から「告白」よりも「口説き」の関係が多くなったが、30になりまた「口説き」よりも「告白」の関係になってきた。20代、野性的で面白い。
そんな野性的時代に、つまりは男女ともに最も恋愛面で調子に乗っている時に、腕を磨いていた人たちが居た。地道に観察を続け、傾向と対策を寝り、小さな実験を繰り返すことで腕を磨いていた人たちが居た。
彼らはそして、ロールキャベツになった。
パッと見は取っつきやすい草食系で、中身は肉食という男をロールキャベツ男子という。
私は思う。ロールキャベツに、天然ものは居ない。ロールキャベツには、養殖しかいない。
あやつらは、努力の末にロールキャベツになったんだ。
あやつらは、努力の末にキャベツを被ったんだ。
だって、中身肉食なのに外が草食? そんな不自然なことがあり得るか。
人間の中身と外見は本質的には一緒になるはずだと思う。それがバラバラというのは、何か人為的なものが働いているに違いない。
ロールキャベツ女子にもロールキャベツ男子にも天然ものは居ないと、私は断言したい。
彼らは、しっかりかしこく、別の言葉を借りると計算高くあざとく、キャベツを被った。キャベツの効能をしっかり知っているから。
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