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「ああ、神様!彼を恨みます」ジャニーズに振り回される昭和のオタ日記

 古書市場に出回っている個人の日記を紹介する本連載。女子高生のなんでもない日常が綴られていたはずが、一転。当時ジャニーズ事務所に所属した郷ひろみにハマってしまい、彼女の世界はひろみを中心にまわり始めます。

 前回の記事《ジャニーズ事務所とアイドルのトラブルは40年前にもあった!?昭和のジャニオタ日記》も合わせてどうぞ。

前回までのあらすじ
 ひろみが好きすぎるため、他のアイドルのことも好きになって気持ちを分散させようと試みた彼女。しかし、上手くはいかず、気持ちは肥大化しつづける…。

1973年12月18日 神様、ひろみを忘れさせてください

 私は時々、冷静さを失う事がある。それは、ひろみを思う気持ちが胸の中にいっぱいになってしまった時。そんな時学校で平然としていた自分が不思議に思われる。そして、そのような気持ちにもどりたいと願う。
きょうは佐々木さんにこの日記を見せた。そして、私も、佐々木さんの日記を見せてもらった。私と同じような事が書いてあるページがあった。「ジュリーを忘れたい」って。私にはこの気持ちがスッゴクよくわかる。そして、佐々木さんも私の気持ちをわかってくれると言った。

 私が今1番願う事は、ひろみを忘れられるような強い心が欲しいという事。私は、自分の性格がこんなだから、ひろみを好きになりきってしまい、いつも悲しんでいるのだと思う。忘れるといっても、すっかり忘れるというのではなく、10月16日以前のような気持ちになりたい。つまり、「何となくいいなァ」と思う程度。神様、どうぞ私にそのように思える日を1日でも早くお与えください。私自身も一大決心をして努力してみます。

 あと何年かたつと、そんな気持ちは努力しなくても自然に消えさるのだろうけど、青春のまっただ中にいる現在はチョット無理かなァって気もする。でも何年もたってこの日記を読み返した時「ア~私はあの頃、郷ひろみというスターに夢中だったんだな」といういい思い出になると思う。そして、もう思い出はたくさんできました。あまりにも好きになりすぎてしまった私だから。そして、あとでなつかしく思い出します。

 だから、この辺でもうひろみを忘れます。神様、私の考えはまちがっているでしょうか? でも、もし、このままひろみを思い続けたらどうにかなってしまいそうなのです。だから、忘れます。(今の私の心が冷静さを失っている心です)
そして、忘れるにあたって、私は芸能界という別世界に入ってきたひろみをチョッピリ恨みます。“郷ひろみ”というスターにならずに、ごくふつうの一高校生のままの“原武裕美”で過ごしていたら、私はこんなに悲しまずにすんだのです。でも、もういいです。私が郷ひろみというスターを好きになったのは過去の事です。自分の心に言い聞かせます。だから、さようならひろみ!心のやさしさと誰からも愛される性格を失わずにもっともっとりっぱなスターに成長して下さいネ。私はもとのような気持ちにもどって陰ながら応援します。さようなら、ひろみ!
神様、どうぞ私を早く前のような気持ちにもどして下さい。

 目にいっぱいたまっていた涙が、今、頬にこぼれ落ちました!

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