余興のために女装を始める
とにかく、頭でっかちだった私には、Campという戦い方が凄くカッコよく思えたのです。
Campとして捉えたら、今まで自分が抱えていた同性愛に対するマイナスなイメージを変えることができるかもしれない。
先輩だったブルボンヌさんはそのことを既に知っていて、面白いことをいっぱい教えてくれました。
そして私は、Campの精神の実践として女装に手を染めることになったのです。
最初はパソコン通信のイベントの余興のために始めたものでしたが、才能があったのか、女装のオファーが続けて入るようになりました。
でも当時、私にとって女装は手段でした。
面白い考えの人に近づくために、何もできない自分は取り敢えず女装をするしかない。
女装をすれば、面白い人とも接点が持てるはずだ。
いつか自分が面白くなったら女装を辞めるのだろう。
そう思っていました。
それがまさか、20年も女装を続けることになろうとは。
周りにいた賢い人達は女装を辞めていきました。
でも私は辞められなかった。
その理由は、また来週。
ところで、なぜ急に私の女装人生を振り返ったのかって?
それは今月23日に私の女装20周年のイベントがあるからですよ。
詳しくはWebへ。
どなたでも入れるイベントなのでお気軽に遊びにいらしてください。ほほほ。
Text/肉乃小路ニクヨ
次回は<なりたい自分に近づくための「女装」という手段が、ビジネスに変わった>です。
先週は肉乃小路ニクヨさんが女装を始めた経緯についてのお話でした。そして、今週は「ニクヨさんがなぜ20年も女装を続けてきたのか」について。そこには、女装家になった経緯と環境…と、ニクヨさん自身が歩んできた道と周囲の人々との出会いが大きな鍵となっていました。