自分の知らない自分に会う旅

たとえば恋愛についても「自分らしく」なんてことにあまりこだわっていると、過去の成功体験を踏襲した恋愛しかできません。
恋愛は自分にはない相手のある部分に惹かれたり、触発されて自分の気付かなかった部分を引き出してもらうのが楽しかったりします。
付き合う相手でいろいろ変わる方っているじゃないですか。それを見て私は微笑ましいなって思うんです。

たとえば仕事も同様に、今までの自分にこだわっていたら、自分の中の隠れていた才能や能力に気付かないまま終わってしまうかもしれません。
「自分らしく」にこだわって、これと決めた仕事だけするのも良いのかもしれませんが、私は違うことをするチャンスや、違うやり方を試す機会があればどんどんやってみた方が良いと考えます。
20代、30代くらいまでは自分を決め付けるのではなく、いろいろな経験をして、自分の可能性や幅を広げるのが良い時期だと思うのです。

過去の自分の活かし方

かと言って、過去の自分は無視して、新しいことだけを全面的に受け入れろということでもありません。
新しい考え方や人に触れて影響を受けたものは自分の中で消化する必要があります。
その時に過去の自分というものが生きてきます。

過去の自分と照らし合わせて、より素敵で楽しくて好きだなと思うものを自分の中に取り入れていくのです。そして新しい私を作っていきます。
新しい私がやりたいことをやっていくと、そこには結果として「自分らしさ」というものが残っていく気がするのです。
最初から「自分らしさ」ありきで考えると変化や成長というのはあまり期待できないように思います。

みんながみんな成長や変化をする必要はないかもしれませんが、私はせっかくいただいた命ですからほんのちょっとでも成長したり、変化したりしたいなと思うのです。
女装家なのに前向きですみません。
ふふふ。

Text/肉乃小路ニクヨ