ツッコミの魔力

笑える形にするということは漫才で言うツッコミです。
相手にツッコむには状況を客観視しなければなりません。
ツッコミとは構造の矛盾やいい加減さを露呈させないと良いツッコミになりません。
そのため状況を俯瞰で見れるようにすると、不思議なことに大体のことは大したことがないという気持ちになります。

でも自分の中で思ってしまった「悪」や「毒」を無かったことや許されざるものにしてしまうと、かえってそれが澱(おり)のように自分の中に堆積してしまって、心が蝕まれるのではないかと危惧します。

悪いことを思っていても、にこやかに笑ってツッコめる。
上品な表情で丁寧で綺麗で楽しい毒を吐く。

そのギャップに私は勝手に女優魂のようなものを感じてしまうのです。
自分の中で泥に咲く蓮を思ったりします。

バカでしょ。

 バカなんです。でもこれが私です。 面倒くさいと言われればそうかもしれませんね。
でも、世の中で素晴らしいものってだいたい面倒くさいものなのですよ。
ほほほ。

Text/肉乃小路ニクヨ