私も卑屈なブス女装だった

なんで、こんなにブスを売りにした女装の気持ちが解るかって?
私も最初はそうだったからです。

以前のコラム「自分磨きなんて必要ない!?人は視線を浴びるたびに美しくなる」にも書きましたが、私は女装を手段として始めました。
だから、自虐で笑いが取れる女装が手っ取り早かったのです。
イージカム、イージゴーで笑いはスグに取れましたが、卑屈への道もあっという間に開きました。
でも女装の奥深さ、ショウタイムの面白さは捨て難いものでした。

だから、私はそんな自虐を強要されるような環境から距離を置くことにしたのです。
そんな私を孤高だとか、一匹狼だとか、ショウが難解でつまらないとかそう言う人もたくさんいましたが、私は私の本来の面白さや美しさを信じて続けました。
もちろん若気の至りで、技術が追いつかなかったこともありましたが、結果、今も女装とショウガールを続けています。

もちろん自分を過信はしていませんし、天狗にもなりようが無いですが、そこそこ自信を持って生きています。

仮に100歩譲って、いや、10000歩譲ってブスだったとしても、自分の美しさを信じて笑顔で進むブスと、笑われなければ価値が無いと卑屈になったブスと、どっちと友達になりたいかといったら、自分の美しさを信じるブスの方が遥かに魅力的ですし、自分もそうありたいと思っています。

もしもあなたが卑屈になっていたら、もう自虐はやめにして良いですよ。
人に笑われるより、自分が笑う人生の方がずっとずっと大切です。
予定調和のその場限りの笑いなんて、どうでも良いことです。
そうは思いませんか?

Text/肉乃小路ニクヨ
初出:2016.04.12