出る杭は打たれる

 有名人が間違うと、どうして一般の人よりも強い非難を浴びるのかという構図を
この際によく考えたいと思います。

 私が考えるにこの非難には
日頃からの不満と嫉妬の蓄積があります。

あいつら(芸能人や政治家)は上手いことやりやがって、
高額な出演料(議員歳費)をもらっている、というやっかみ。
あと日本人は祭りが好きですからね。
御神輿で担ぎ上げて、失敗したら禊という名目で地面に叩き落します。
一種の娯楽でもあるのですね。

 単純にやっかむ人というのは、彼らの背景をよく理解していません。
たとえば、芸能の仕事は憧れる人が多い分、競争が激しく
毎年新しいライバルが現れて、飽きられたら簡単にポイ捨てされる仕事です。
素晴らしい才能があるのに、見出されずに辞めていく人もたくさんいます。
顔を知られているので、プライベートも監視され続けるというリスクも負います。
公共の交通機関が使えなくなると、移動にもそれなりに費用がかかります。

 また一人だけの力ではなく、仕事を取ってきてくれる営業の人、管理をしてくれる人、
ヘアメイクの人、スタイリストの人、企画やアイデアを相談する人、
芸事の稽古を付けてくれる人、みんなの仕事の集合体なのです。
その人達に払うお金も含まれてのギャランティー(出演料)です。
個人だけど法人みたいなものです。

 社会人経験を経た、良い大人だったら
自分自身の自由を再確認して、むしろ「大変だ」くらいに思うのですが、
そういったところまで考えが及ばない人たちが、
「ちやほやされて法外なお金をもらっている」と勘違いをするのです。

 といいつつも、芸能人(タレント)は夢を売る仕事。
そんな現実を考えさせたら、興醒めしてしまうファンもいるでしょうから、
自らはそんな野暮を言いません。
私は芸能人(タレント)ではなくニューレディーなので、
野暮を承知で背景を考えてみました。

亭主元気で留守が良い

 この件から本当に考察すべきは
あれもこれも一人の相手に求め過ぎないということです。

 例えば、多くの人はパートナーに
恋人でいてほしい、友達でいてほしい、出世してほしい、
美しくいてほしい、格好良くいてほしい、でも浮気はするな、
と思っているようです。

 相手が仕事で出世したら、自分も成長しないと
価値観や世界観が合わなくなりますし、
配偶者が美しくなったり、格好良くなったら、
誘惑が増えて、かなりの確率で浮気されます。

 優しい人は優柔不断ですし、繊細な人は神経質である
という事実も受け入れなければなりません。
あれこれ要求するなら、あれこれ飲み込むくらいの器量は求められます。
それができないなら、相手に要求しない謙虚さを持ちましょう。

 そう考えると亭主元気で留守が良いと割り切り、
生活をともにしつつも、期待せず、
ときめきは韓流スターや男性芸能人に求めるという生き方も
とても賢い方法に思えます。ふふふ。

Text/肉乃小路ニクヨ