親に隠れて読んでほしい

私のラノベは一応全年齢向けに書いてあるものなので、我が息子に読ませたくない、なんてことはさすがに思いません。けれども、わざわざ息子の目に入るところに陳列する必要はあるのか。いささかセクシャルな内容を取り扱っていることも確かなので、できれば親であるわたしの目を盗んで読んでほしいと思うのです。

わたし自身、思春期の頃は、親に隠れてこっそりと購入した、エルティーンやパステルティーン、ポップティーンといったティーン向けの雑誌を読んでは、あらぬ妄想を膨らませていました。エルティーンとパステルティーンはもう休刊してしまいましたし、ポップティーンはすっかりファッション誌となってしまいましたが、当時、これらの雑誌には、初体験やオナニーを綴った、赤裸々な体験談が多く載っていて、そのあまりの過激さに、都から「有害図書」として指定されたほどです。わたしはこれらの記事から、学校や家庭では教えてくれない性の知識を得ました。

今でも覚えているのは、読者のお悩み相談コーナーの投書で「彼氏と初体験の時、脱がされたパンツに染みがあったら、嫌われてしまいますか?」というもの。「女のコのパンツなんてそんなものだと男のコもわかっているので、気にしませんよ」という回答に「そうなのか、よかった!」と胸を撫で下ろした想い出があります。

なんせ当時、目にするセックスといえば、少女漫画の中の曖昧な描写が主でした。例えば、ヒロインが抱き寄せられてキスを交わすシーンの後、シーツをギュッと掴むヒロインの手が描かれ、セックスが暗示されるといったものです。そこに憧れを感じることはあっても、自分とのギャップやセックスというものへの謎が深まるばかり。それを解決してくれたのが、ティーン誌だったのです。

だから、息子が興味を持ったら、性的なコンテンツにこっそりとアクセスできるような余地は残しておきたいと思います。もっとも、そんなことを心配しなくても、こっそりどこからか探し出してくるのでしょうけど。