友達の彼氏ばかり好きになる女
以前、漫画家のドルショック竹下さんと「友達の彼氏ばかり好きになる女」について話したことがあります。
わたしはずっと、そういう女性は、人の男を奪い取ることで、女として自分が上だということを証明して気持ちよくなっているのだと思っていました。しかしドルさんは、「むしろ、自分の男性を見る目に自信がないから、信頼できる人が選んだ男性ならば安心できると考えているのではないか」と言っていました。なるほど、そういう考え方もあるのか。
同じ「人の男を奪う」という行為でも、理由が前者であるか後者であるかは大違い。というわけで、前回に引き続き、わたしが目撃した、人の男を奪う“魔性の女”についてお話したいと思います。
〈これまでのあらすじ〉
高校1年の秋、初体験の相手に振られたわたしが悲しみに暮れていると、女友達がこっそりと教えてくれました。「この間、あなたの幼馴染(通称:モンチッチ)と彼が一緒に歩いているところ、見たよ」と。
驚いたわたしは、「わたしの元彼と歩いていたって本当?」とすぐにモンチッチに尋ねました。すると彼女は、ちょっと気まずそうに、「ああ、うん。ごめん」と、会っていたことは認めました。しかし「でも、そういうんじゃないから」と関係自体は否定します。
納得がいかずに、元彼にも連絡を取りました。「ねぇ、あなたが言ってた、新しい好きな人って……」と尋ねると、「ごめん。俺が好きになったのは、実はモンチッチちゃんで」と、あっさりと認めました。
元彼の気持ちが彼女に移ってしまったのであれば、もうわたしに出る幕はありません。それからしばらくして、モンチッチとわたしの元彼は付き合いだしたようですが、あまり積極的に関わりたくなかったので、ふたりがどういう付き合いをしていたのかはまったく知りません。
初体験の相手を奪われたにもかかわらず、わたしはそれからも、彼女と変わりなく友達付き合いを続けていました。だって恋愛は、良くいえばフェア、悪くいえば弱肉強食。人が人を好きになる気持ちは、誰も止められないし、たとえ恋人の気持ちが他の人に移ってしまったからといって、それは仕方のないこと。わたしを裏切ってまで惹かれ合ったのならば仕方がない。
……そう考えていたわたしが甘かったことを思い知らされたのは、それから約1年後のことでした。モンチッチは今度は、わたしの親友Uの彼氏を奪い取ったのです。
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