新婦がセフレのことを好きになってしまったきっかけはバス停の210円

セックスレス当時の日記

シャツ姿の男性が振り向くノースリーブのウェディングドレス姿の女性とキスしている画像 Lyuda Pyenta

 セフレのいいところは、「会えばセックスが出来るところ」と「将来の責任を負わずに済むところ」ではないでしょうか。たとえ誘われても、その日セックスをする気がないのなら会うことを断ってもいいし、「セックスしてるんだから、恋人にして!」と言われたとて、「それとこれとは別なので」ときっぱりと断れる。そんな楽で気軽な関係が、セフレにはあると思います。

 というわけで、先週書いたとおり、わたしは恋人と結婚式を挙げた後も、複数のセフレと責任のない関係を続けていました。その一方で恋人(籍を入れていないので、この呼び方で統一します)とのセックスレスは、より深刻化していました。当時の記録が某SNSに残っていますが、結婚式を挙げた5日後の2009年6月5日の日記に、こう書かれています。

「そういや、まだ初夜を済ませてないんですけど。このままいくと、早くてお盆、遅いと来年の正月くらいの予感。どうすべき?w」

“w”をつけて誤魔化していますが、笑いながらもちっとも目は笑っていない自分の姿が目に浮かびます。さらに、それから約2週間後の、6月22日にはこう記されていました。

「『今週、エッチをしませんか』そんなメールしたのが週中くらい。今日は珍しく、やたらとべたべた腿とか触ってくるし手とかつないでくるし、好きだよとか言ってくるので、おー、やる気なんかなとうっすらと思い、さらには布団の上でだらだらと話していたら、ぎゅっと抱きしめられたものだから、おー、やる気なのねと体の力を抜いた瞬間 『お休み』って。

 あはは。何これ。いわゆる放置プレイってヤツですか? 泣いたりなだめたり怒ったり。なんかもう疲れたわ。無理やり立たせて跨る気力もないっつーの。歩み寄る努力とか馬鹿みたいに思える。

 その上なんか自分が情けないっていうか、あたしそんなに魅力ないかなー。別にさ、舐めてくれなくたっていいし、イカせてくれなくたっていいし、気持ちよくだってさせてくれなくてよくて、ただ、仲良くなるためにセックスをしたいのであって。なのにあっさり無視ですかと。

 仕事しようと思っていたけど、こんな気分で書ける気がしないので、今夜もビールを飲みながらDVDを見る。泣けるようなやつを借りてくればよかったなぁ」

 どうにかして恋人とのセックスレスを解消させたいと考えていた、その試行錯誤がよくわかります。けれども、どうやってもかなわないことに気が付いて絶望し、この翌日、わたしはひとつアクションを起こしました。彼に告げたのです。
「実は好きな人がいる。だからあなたとは入籍をしない。けれども、結婚式も挙げてしまったし、出来ればあなたと関係を修復させたいと考えている。だから、もう一度あなたを好きにならせてください」と。