世界共通「女のときめきのツボ」
1.女はすべてクイーン
マイクの古い訳ありの友人ロームは、美しく鍛えた体の男たちがサーブする、女たちのための秘密クラブを仕切っている。ロームが客の女たちを呼ぶ時の呼称は「クイーン」。しかし、実は、クイーンたちは普段、乱暴で話を聞いてくれない男たちに失望し、腹を立てている。だからこそ、クイーンとなる場を欲し、たまの“贅沢”として自らに与える。
わかる、わかるよ、すべての男たちが優しければ、秘密クラブなんていらないんだよ。でも優しくないからいるんだよ。日本にも、そういう場所があれば、もう少し女を頑張れるし楽しめるのに!
2.でもって、したいのはセックスではなくバカ騒ぎ
もちろん、「イケメンとセックスがしたい」っていうのもあるけど、ただ、キャーキャーとバカ騒ぎがしたいっていうのもある。「あの男がいい」「わたしはアッチ」と品定めしながら、好みの男に札びらを切ってバラまいて大騒ぎする。そんな、女友達と過ごす時間こそが、女でよかったなぁと思う瞬間だったりもすると思うんです。「そんな女子会ばっかりしてるからモテないんだよ!」は確かに真理でもありますが、そもそも、女子会は女にとって、抑圧された社会の息抜きの場であるからして、そもそもモテや恋愛や仕事や家事の戦線で日々闘っているからこそ“ハレ”としての女子会が必要であるし、もうたまの“ハレ”くらいじゃ我々(しつこく言うけどわたしだけかもしれませんが)の日常の闘いにおけるエネルギー浪費は補えない。
したがって、“野郎飲み”と同等の“ケ”の女子会だって必要なわけです……ちょっと話が変わってきてしまいましたが、次に行きましょう。
3.マイクを始めとする男どもの優しさ
マイクたちが相手とするのは、美人ばかりではない。熟女・ガリ・ポチャといった普通の外見の女性たちが、普通にそこらを歩いているくらいの割合で出てくる。そして、マイクを始めとするメンズストリッパーたちはそのどれにも優しい。「相手は客、金貰ってるんだから当たり前だろ」という前提もあるかもしれないですけど、むしろ、「女性に喜んでもらえることが、自分の快感でもあるから」という性格の良さが垣間見える。
ようするにマイクたちは「自己犠牲の精神なく、むしろ楽しんで人のために奉仕できる人たち」であるから、見ていてこちらも「これなら疑わずに甘えられる」と思えるわけです。
4.乙女心につけこんだダンスシーン
前作『マジックマイク』では消防士、裸カフスに蝶ネクタイといったコスプレが満載でしたが、今回はさらに一歩先を行って女のシチュエーション萌えを突いてきます。見せ場のお楽しみシーンなので、ここをバラすとヤボだと思うので多くは語りませんが、「あぁ、これ、ティーンズラブノベルのテッパン……!」というシーンの連続です。むしろ、女のときめきのツボが、日本と世界とでは変わらなすぎることに驚いた。
というわけで、公開は来週です。少しでも興味を持った方はぜひ、映画館に足を運んでくださいませ。ちなみにわたしは、メンズストリップを観るために渡米を考えているところです。
…次回は《「身体の相性がめちゃくちゃにいい」多くの女がダメ男と離れられないただ1つの理由》をお届けします。
Text/大泉りか