前作『ピッチパーフェクト』は大学のアカペラ部を舞台に、協調性ゼロから全米チャンピオンを目指したガールズのお話でした。衝突しながらチームでチャンピオンを目指す典型的なサクセスストーリーが爽やかに楽しく描かれていました。『Cups』という名曲も生まれ、Youtubeを中心に社会現象も巻き起こしました。
2作目である『ピッチパーフェクト2』もこのアカペラチーム、“ベラーズ”のメンバーたちが描かれます。今回は何と世界チャンピオンを目指すのです。しかし、事態は部の存亡をかけた世界大会という緊迫した展開を見せていきます。なぜそんなシリアスな展開になったのかは映画の冒頭で描かれます。
本作は前作『ピッチパーフェクト』以上に現代のポピュラーミュージックをアカペラで歌います。「お、この曲知ってる!」と思える有名な曲が何曲もあり、前作以上に楽しめる作品に仕上がっています。シリーズものではありますが、本作だけでも“青春ムービー”として十分に楽しめます。
ガールズたちの青春物語はほろりとさせるもので、ピュアな恋愛やセフレ的恋愛なども描かれます。もちろん、アカペラそのものの魅力は言うまでもなく、悪ふざけや下品さを伴ったジョークも見どころ。最後の最後にはまさかまさかの超豪華アーティストがカメオ出演で驚かせてくれます。
前作は最高潮のテンションでクライマックスを迎えましたが、本作はほろりと涙を誘います。しんみりとしたバラード曲”Flashlight”は、なんとサム・スミスとSiaがこの映画のために書き下ろした名曲です。
前作『ピッチパーフェクト』の良い部分をより引き出しつつ、決して似たような内容に収まっていない本作。新入部員・エミリーを演じたヘイリー・スタインフェルドのフレッシュさも見事なスパイスとして機能しています。
「誰もが楽しめる!」
「誰もが感動できる!」
「誰もがもう一度見たくなる!」
そんな作品なのです。