セックスというのは まさか オナニーを手伝いあっているのか まさか(佐々木あらら)

 たいていの男女は遅かれ早かれ、セックスレスの危機を迎えます。迎えない人、ほんとに偉い。もしくは相性がとてもいい。うらやましいです。

 セックスレスになるパターンはいろんなケースがあるので一概には言えませんが、いろいろな方の話を聞くと、中には「完璧主義者のセックスレス」というパターンもあるようです。たとえばこんな感じ。

「セックスはしてもいい。でも、やるからにはいいムードをつくったり、相手を満足させて、自分もたっぷり尽くしてもらう、完璧なセックスがしたい。

 でも、それを最初からやるのには今日は疲れてすぎている。明日の仕事も早いから早く寝ないといけない。相手も疲れてるのにいろいろやってもらうのは申し訳ない。中途半端で雑なセックスをする自分勝手な人間だと思われるよりは、今夜のところは、寝てしまおう。

 いつか、時間のとれる連休にでも、いい雰囲気のリゾートなどに行ってたっぷりやればいいや

 これは一見正しい考えに見えますが、実は「完璧主義的怠惰」にハマってしまう危険をはらんでいます。

 仮に休みがとれて、そんな決意でリゾートに行ったとしても、他に楽しいことが山ほどあります。うっかり喧嘩になったりしたら、結局セックスなしで帰宅、ということだって考えられます。そうして、じょじょに「セックスするきっかけ」が消えていき、「お互い性的に不満はあるが、なんとなくこの人とはもうセックスの話をしない」という状態になっていく。

 どっちか、あるいは両方がもともとセックスがあまり好きじゃないなら、まだ仕方ないと思います。でも「どっちもセックスしたいのに、完璧なセックスを求めるあまりセックスレスになっていく」なんて、もったいないというか、ちょっとちぐはぐ過ぎませんか。

 そんな失敗を避けるためにこそ、僕の座右の銘「志を低く」をあなたのセックスライフにも提案したい。

 完璧なフルコースのセックスはめんどくさい。だから、日常のお惣菜だけで済ます夜食のような「なんとなく二人の欲を満たす、30点ぐらいのセックス」をこまめにする。

 具体的には、うーんと、たとえば、相互オナニーとかはどうでしょう?