酔ったふりをして幼馴染に抱きつきました
斗花さん(東京都)
エピソード:
小学生のときから知り合いの、同じアパートに住む男の子がずっと好きでした。
彼を忘れようとして様々な男性と関係を持っては、逆に彼への想いを深くしていました。
成人式の日。中学の同窓会があり、もちろん彼も来ました。彼の好きな人がその同窓会にいることも知っていました。幼馴染という関係上、恋愛相談は受けまくっていたので。
彼はその女の子にアピールしまくり、席もその女の子の隣をずっと独占していて、とてもいい感じでした。
わたしはお酒、とても強いのですが、その日はわざと酔ったふりをしました。
「体調が悪い」と嘘をつき、トイレに行って泣きました。そんな私を見た友達が幼馴染に声をかけ、幼馴染は私を送ることになりました。幼馴染なので、彼が私を送るのはいつものことです。
その時、わたしは酔ったことになっているのを利用し、彼に抱きつき、キスして、彼をホテルに連れて行き、半ばレイプし(笑)、彼に告白しました。
振られましたが、翌朝、何も覚えていないふりをしました。
彼は呆れたように、でも、安心していました。
わたしは今でも彼の体温や息遣いを覚えています。
「酒乱だな。」呆れたあなたにキスをする お酒の味はしなかったはず(斗花)
同窓会って下手な合コンよりも「お持ち帰り」の率が高い気がします。
共通の話題もあるし、「あのときは言えなかったけど、昔から好きだったよ」とか「こんなに美人になってるなんて想像もしなかった」とか一発でキュンときてしまう恐ろしい呪文もわんさかあるし、何より、自分が若い頃に戻った気持ちになるのが、いいんでしょうね。
そんなわけで、離婚の理由が「奥さん(旦那さん)を、同窓会で再会した異性に奪われた」というケース、僕の周りで結構な頻度であります。性の乱れを過剰に気にする風潮が進んだら、いつか「同窓会禁止条例」は施行されるんじゃないだろうかと思えるほどに。
あ、それで斗花さんに何が言いたいかというと、その幼馴染の彼とは、たぶんこの先もかなり長いスパンで関係を持つことになるだろう、ということです。お互いが別々の相手と結婚して、別々の幸せを得たとしても。
同窓会に行かない、という選択肢もないわけではないですが、現代はおせっかいにもFacebookみたいな無理やり同窓会を開かせようとする非情なツールも発達しているので、なかなかそうも言っていられないでしょう。
この連載では恋愛におけるわりきれないもやもやした思いを「怨霊」と呼んでいるのだけれど、この怨霊はまだまだ成長株のように見えます。10年後にも20年後にも、苦しかったり嬉しかったりするイベントが散発的に発生する予感がします。
まあ、そういう運命的な人がいるというのは人生の隠し味みたいなものです。いつかたまらなくへこたれそうになったときの命綱になったりもします。複雑な味の、良い人生が過ごせますよう、お祈りします。
ドキドキがお酒のせいじゃないことを確かめるため飲むウーロン茶(佐々木あらら)