こんにちは。佐々木あららです。
「恋愛のもやもやした思い出」を短歌とともに送ってもらっているコーナー、今月のテーマは「お酒」。お花見やら新歓コンパやら、何かとお酒のからんだ恋愛失敗リスクが高くなる季節です。みなさま、お酒と一緒に煮え湯を飲まされていませんか。
今回は投稿がたくさん届いているので、さっそくお便りを。
グループで飲んでいる居酒屋のこたつで……
ひまわりさん(兵庫県)
エピソード:
友達グループの中で、秘密でセックスしていた相手がいました。
そのグループでこたつのある居酒屋に飲みに行ったある日、相手が私の向かい側に座りました。
他の友達と普段どおりの会話をしながら、足先で相手の足をゆっくりと撫で、アピールしました。
相手も、一度こちらを見たあと、素知らぬ顔で会話を続けていました。
秘密の関係が燃えた日でした。
後にその人とは正式に付き合ってしまったので、秘密のスリルはそれっきりです。
足先で触れ合う居酒屋掘りごたつ お互いただの友達のふり(ひまわり)
こたつはエロいですよね。よく考えたら布団みたいなものですから、一緒のこたつに入っただけでほとんどセックスは始まってると言っても過言ではないですね。いや、過言ですね。
僕が子どものころのこたつはレモン球が赤く光ってて、中をのぞくとちょっといかがわしいお店の照明みたいで、それにも心ときめいたものでした。好きだった女の子の家で遊んでて、ふと意味もなく二人でこたつの中に隠れてみたりして。オレンジの光の中でただただお互いを見つめ合ったり、してました。どうだ、今の子にはできない雅な遊びだろう。
ともあれ、昔からこたつはエロいアイテムだったみたいです。江戸時代の川柳に、
こたつの手明るい方は猫をなで
というのがあります。暗いほうの手、つまり、こたつの中に入れているほうの手では何を撫でてるんだか、というちょっとしたバレ句(艶句)ですね。巧い。
母の手を握って炬燵しまわれる
というのも落語のマクラなどでよく聞く川柳。手探りで握るべき手を間違えてしまう、という「こたつあるある」の定番です。
こういう、いい先行作品が出尽くしているアイテムを新しく短歌にするのはなかなか手強いです。