母の送迎でチョコを渡しに行きました
たこはなさん(東京都)
エピソード:
中学の時に住んでいた家が携帯の電波も入らないほどど田舎で、彼の家には車で峠を越えなければいけません。
毎年母親に送迎を頼み、チョコを渡しに行っていました。
ただでさえ恥ずかしいのに、車から母が見ているからなおさらで、彼の目を見てチョコを渡せた試しがなかった気がします。
私は娘ができたら、車から覗き見るのはしないであげようと思っています。
あー、これは顔が赤くなるなー。わかります。
バレンタインデーって、母が介在するととたんに恥ずかしいメモリーになりますね。
僕も小学校のころ、ホワイトデーは母の独壇場でした。
ある年は、近くのサンリオショップでキティちゃんの顔の形のタッパーとかを買って(母が)、不二家でお徳用の飴の詰め合わせを買って(母が)、それをタッパにぎゅうぎゅうに詰めてラッピングして贈りました。
「いや、そんなことをしたいんじゃないんだ、というか本命とか義理とかの配分もあるから自分で決めて自分でしたいんだ」と思ったのですが、口には出せず、言いなりでした。
母は「経済的だしかわいいし名案!」と思ってたのかもしれないけど、そのせいでこっちはあだ名が「タッパ」になりかけたんだからな! 全国のお母さんはどうか子どもの恋路には過剰に関わらないでいただきたい。
……たこはなさんより僕の怨霊度が満ちてきてしまいました。いかんいかん。気を取り直して、いただいた短歌を。
チョコレート 母の送迎デリバリー 私も娘のアッシーやるかな(たこはな)
この手の想いは、おもしろさを説明しようとすると逆に平坦な言葉になってしまいます。短歌は、映画の紹介でいうと「あらすじ」の文の役割より「印象に残る1カット」の写真の役割を受け持つほうが得意な形式のようです。
たとえばここらへんの1カットを見せてみるのはどうでしょう。
助手席で手作りチョコを抱えてる娘を初恋へと送る役