10回の失敗にも負けず……
タンポン太郎さん(神奈川県)
エピソード:
お互いが初体験での夜。
相手の子は「痛い、痛い」と叫び続けるし、僕は僕でどこに入れればいいのかもイマイチわかっていないから、結局あきらめることに。
その後も何度か試みたものの、結局同じようにあきらめた夜が10回ほどありました。
AVのモザイク部分を穴が開くほどにらみつけ(実際穴は開いているのですが)、なんとか11回目で成功しました。あんな達成感は、小学校のときの逆上がり以来です。
11回! 負けないことや投げ出さないことや逃げ出さないことや信じ抜くことの大事さを実感する感動的な話です。大事MANブラザーズバンドのあの名曲は、きっと処女と童貞の苦闘の初夜を歌ったものだったに違いない。涙見せてもいいよ。痛いし。
思ってたよりも思っていたよりも思ってたよりも処女は手強い(タンポン太郎)
という短歌も添えていただきました。前半部分をたっぷりつかった連呼に10回の試行錯誤の重みがうかがえます。とはいえ、短歌よりもドキュメンタリーとかに向いているエピソードかもしれませんね。「プロジェクトX」風に仕立てて。
10晩の工夫と失敗を丹念に追った再現映像のあと、ついに11夜目、もう二人の関係もこれまでか、とハラハラさせた末に、田口トモロヲさんの声で、
「その瞬間……太郎のペニスが、入った……」
みたいなもったいぶったナレーションがあって、中島みゆきが流れるわけです。スタジオに戻ると、きらきらした目の膳場アナウンサーが元童貞と元処女の二人に質問。
「いかがでしたか」
「いや、もう、とにかく痛くて痛くて……」
ええっと。
何が言いたかったかというと、短歌に向いているサイズのエピソード、他の表現に向いているエピソード、というのがあるんじゃないか、ということでした。