素直すぎる言葉では怨霊は祓えません
クリスマス 一緒に過ごす恋人にイブはどこにいるのか聞けない(あずさ)
とてもまっすぐで正直な言葉で、人柄の良さが伝わります。でも、気をつけて。正直が芸になるには相当な人徳が必要です。
素直すぎる言葉では、後悔の怨霊を祓うパワーは生まれません。
では、どうしましょう。
嫉妬を思いっきり実体化させてすっきりさせてしまう作戦もありますね。
妄想に妄想を重ね、イブにあなたのパートナーと過ごしていたであろう浮気相手の虚像をつくり上げてしまうんです。たとえば、こう。
奥さんにイブも仕事で徹夜だと告げたあなたとキスする仕事
あれ? 素直さからは脱却しましたが、ちょっとやり過ぎましたか。あまり自分の気持ちから離れすぎるのも考えもの。 では、元の気持ちに立ち戻って、さらにちょっとだけ自分の欲望をプラスして、こんな言葉にしてみましょうか。
来年に暴くつもりの嘘にまだだまされておくクリスマスです
どうでしょう。相手に真相を尋ねられなかった状況は同じですが、「すべてお見通しなのよ」という心の余裕を見せつけてやりました。
短歌の中だけの虚勢というのも何やらむなしい気もしますが、うさ晴らしにはなります。もやもやした苦しさを客観化して、ちょっとだけみんなに笑ってもらえる形にはなったんじゃないかな……。ま、ちょっとだけ、ですが。
実際には、イブに会えない彼氏は、女子のイベント好きに気づかない鈍感な男であることが大半ですよ。あずささん、どうぞお幸せに。