ゴンドラが二時の位置まで来たときのキスがあなたの奥の手なんだ

ちょっと改作してみたのがこれ。観覧車であることがよりわかりやすいようにしてみました。 でもまだ後半が説明的で、ぐっとこないですね。もう少し本音に近寄せたいところ。

ゴンドラが二時の位置まで来たらキス(あの子もこれで落としたくせに)

後半を独白っぽくして、嫉妬と猜疑心を多めに振りまくパターン。

うーん、もう少し思いを吐き出したいですね。 こういうときは、思いきって視点をずらしてみましょうか。元彼の視点になって、この怨霊を見つめてみます。

あなたではない誰かにもしたようなキスを続けている観覧車

どうでしょう。 いろいろばっさり切り落とし、怨霊メモリーの本体である「キスをしているアツい瞬間のはずなのに、先例を脳内サーチして冷めている主人公」にピントを合わせてみたパターンです。

遠くから、近くから、いろんなところに視点をおいて、作品化することができるかと思います。 そうやってためつすがめつしているうちに、怨霊は実体化され、昇華されてゆくのではないでしょうか。

坂輪さんに観覧車の中で取り憑いてしまった恋の霊、うまくお祓いできていたらいいんですが。お幸せに。

次回からは1回に2、3エピソードずつご紹介できればと思います。

引き続き、「クリスマスの怨霊メモリーのエピソード&短歌」募集しています。 「怨霊」とはうたっているものの、ハッピーなものでも構いませんよ!
アンハッピーな思いのほうが短歌になりやすいけどね。ぜひぜひチャレンジを。

では。

Text/佐々木あらら

5・7・5・7・7の分け目ごとにマスあけをされている方が多いのですが、このコーナーでは佐々木あららが親しんでいるスタイルにしたがって表記を変えさせてください。ご了承を。

初出:2014.12.15