Winnie Liu
今年もまた、孤独がもっとも絵になる一日が近づいています。 そう、それはクリスマス。 外に出れば冬風が吹きすさび、ショーウインドウはこれみよがしなハートだらけ。 かじかんだ指でiPhoneをいじれば、Facebookやinstagramにはよろしくやってるカップル・ファミリーたちのこじゃれた食い物写真がズラリ。 「淋しいのはお前だけじゃな(by枡野浩一)」とばかりに僕たちの孤独を引き立ててくれます。
街じゅうがこじゃれちまったかなしみにつつまれて今クリスマス前(佐々木あらら)
というわけで、AMの洗練された読者のみなさま、はじめまして。佐々木あららと申します。 エロ歌人を自称して10年。みなさまから不遇な恋のエピソードを募集し、その思いを短歌(57577)に昇華させて「お祓い」をしてしまうコーナーを担当させていただきますよ。
ではさっそく。
坂輪さん(東京都)の投稿
エピソード:
観覧車でてっきり一番上でキスをすると思っていたけれど、2時あたりだと他の観覧車から見えないのだと元彼に教えてもらいました。 私は観覧車でキスをすることが初めてだったので、元彼は前にも違う人とキスをしていたことが分かったクリスマスでした。
このエピソード、観覧車・キス・クリスマス、と定番恋愛アイテムがそろっているのにほのかに不幸の匂いを感じるのはなぜでしょう。 それはもちろん「前にも違う人とキスをしていたことが分かった」ところですね。
こういう「うっすらと釈然としない思い」が、今回ご提唱させていただく「怨霊ラブメモリー」です。 ハッピーなメモリーになるはずの素敵な観覧車のゴンドラの中で、ご投稿者は恋愛の怨霊に憑かれてしまったのです!