「好き」はめっちゃ理屈で成り立つ

よく「好き」は理屈じゃない、みたいなことをいうじゃないですか。あれ、理屈ですよ! なんで好きかの理由も、なんでダメな気がしたのかの理由も、ちゃんとヒアリングすると、めちゃくちゃ出てくる。
本人が理屈化できない、言語化できていないだけで、「じゃあこの瞬間、こうじゃなかった?」「ああじゃなかった?」って私のようなヒアリングの達人が細かく聞いていくと、チェックシートがびっちり埋まるくらいの理由、沢山あるから。だから直感じゃないし、勘じゃないから。

すれ違っただけの人でも、どこかの遺伝子がいい気がしたとかありますよ、かなり。ものすごく解析すれば。
見た目とか、視覚情報かもしれないし、匂いかもしれないし、沢山の具体的な情報があって、その恋に落ちるほどの理由は絶対に持ってるから。恋心が完成するだけの数を持っているから、すごく根拠がある。みんな根拠を自覚できてなくて、言語化できていないだけで。それで、あやふやなものは信じられないとか思っちゃってるだけで。

直感の恋に、ひよらなくてOK

どちらかというと危ないのは、たとえば好きになったほうがいい相手、お見合いとか、紹介とか、お膳立てされてて、その人のことを好きになった方がいいんだけど、好きになれてないってとき。そこで無理に理由を探して好きになるほうが危険っていうか。

それは、直感の好きに対して、理由が全然足りてないから好きになれないのであって、直感で好きになってるときは好きになれるだけの理由の数が足りてるから好きになってる。
やっぱり数が足りないと好きになれないから、好きってことは足りてるんだって思えば、十分自信を持って恋に取り組めると思うんだけど。ひよらずに恋に取り組んでほしい、そこは。

次回の後半は、人の中身なんてわからないってこと、話します。

TEXT/下田美咲
構成/渋谷チカ
初出:2015.07.03