“支配的”セックスより、“なごみ系”セックスを!

家入:ただ、あのブログを更新した後に、「セックスした方がいいのはわかってるけど、妻に対してその気になれない」「妻とセックスについて話し合うこと自体に萎えてしまう」という男性からの相談が多くて、問題は根深いなと思いました。

福田:なんなんでしょうね、あれって。

家入:男の人の性欲って「この女を征服したい/服従させたい」っていう“攻撃性”や“支配欲”と結びついてることが多いと思うの。
だから、結婚して妻が“守るべき対象”になると、なごんじゃって性欲が湧かないって人がけっこういる。

福田:それはすごくわかる気がします。性衝動に目覚めるどこかの過程で、そういう支配的な関係じゃないと興奮できないように植え付けられてるのかなって。

家入:だからね、結婚してもセックスをコンスタントに続けている仲良し夫婦は、もとから“支配的”じゃなくて“なごみ系”のセックスをしていたか、結婚してから徐々に“なごみ的”にシフトしていった夫婦だと思うの。
どちらかが強く求めたり求められたりするんじゃなくて、どちらからともなくイチャイチャするようなセックス。

福田:ブログに書かれていた、「どちらかが冷凍庫からアイスクリームを出してきたら、“今日はセックスしよう”という暗黙のサインになっている夫婦」のエピソードがおもしろかったです。

家入:そのご夫婦の場合、アイスの銘柄はハーゲンダッツと決まっているそうです。特別感があって、ちょっと響きもエロいもんね(笑)。
はっきり誘うんじゃなくて、ハーゲンダッツという記号を介して、自然と始まっちゃった感じにするのが大事なんだと思う。

福田:「うち、猫飼ってるんだけど見にこない?」と女の子を家に誘うのと同じ手口ですね(笑)。セックスしてもしなくても、どっちの責任でもない状況を作れるという。

家入:でも、どっちから誘うかを気にしたりするのって、すごくケチなセックスだと私は思うんです。
相手を使って、自分の承認欲求や支配欲を満たそうとしている心意気がケチ。

”支配的”セックスからコミュニケーションのための“なごみ系”セックスへの変化を受け入れたほうが夫婦はうまくいく、というのが私の仮説です。
だから、これから結婚する人はぜひ試してみて、これを実証してほしい(笑)。