川村さんは彼氏から「菩薩化」されがち

二村:嫌われるのが怖くてワガママや本音を言えないとこって、あります?

川村:それはあります。
この前数えたら一番直近の彼氏と別れてからちょうど550日ぐらい経っているんですけど(笑)
その人は7年ぶりにできた彼氏で、「今度付き合う人とは結婚だ!」と思っていたんです。私はなんでも我慢できるし、恋愛は歩みよりだ、オッケーオッケーって(笑)
ところがどっこい付き合ったら、私ってこんなに怒りっぽかったっけ?ってぐらいイライラしたりして、全然うまくいかなかったんです。

二村: 川村さんのことを振り回して最終的にはムカつくことになる男を、なぜか最初は川村さんのほうから好きになっちゃうケース多いですか?

川村:尽くしたいという意味では、あるかもしれない。

二村:尽くし甲斐のある、ダメな部分がある人の方が好きなのかな。

川村:そっちの方がいいですね。
役者さんとかバンドマンとか、そうじゃないですか。ステージの上ではあんなに輝いていて、でも普段何もできなかったときにセクシーだったり、男の色気を感じてなんでもしてあげたくなって好きになったりとか。
それはいけないなとわかっているんですけどね。

二村:それをやっちゃうと、男が「この人は、なんでも自分のこと許してくれる」と思っちゃって川村さんのことを“菩薩(ぼさつ)化”しちゃうんですよ。
そうすると川村さんのほうにストレスが出てきてしまうでしょ。

川村:あー、確かに彼がどんどん小学生みたいになっていって、服脱ぎっぱなしだったりとか、私がご飯作ったのに私の分を残さないで全部食べてしまったりとかありえないでしょ、みたいなことが沢山起こって(笑)それで、さよならしたんですけど。

 途中までは、彼が子どもで、私が彼のお母さんなんだと思おうって我慢していたんですよ。
別れるきっかけになったのは、彼が一人でお風呂に入っているときに「水もってきて」って言われて、そのとき突然「うわー、こいつに水もってきたくねぇな。なんだよ、風呂の水飲めよ」って思って(笑)
それで彼のこと好きじゃないんだと思って、「ごめんなさい」って言ったんです。
なんで自分が思っていること、こんなにも言えないんだろうって最後に思いました。それまでは、お付き合いってこういうものだと思って我慢していたんですよ。

二村:ある日ささいなきっかけで、ふと疑問が湧いちゃったんですね。
なぜこの人は私に水を持ってこさせようとしているんだろう? なぜ私は支配されているんだろう? なぜ私は彼を甘やかしているんだろう? なぜ彼は風呂の水道の水を飲まないんだろう?(笑)

川村:本当に嫌だったんですよね。自分が我慢をしているのに、それまで気づかなかったんですけど。